【鹿島|詳細データ付き】“不敗神話”を持つ男・鈴木優磨の凄み

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年09月18日

決してブレない「チームのために」というスタンス。

スタメンへのこだわりはあるが、たとえベンチスタートでも、高いモチベーションでピッチに入り、チームのために全力を注ぐ。(C)SOCCER DIGEST

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「(自分が)抜ける時点で(金崎が)上がってくるのがだいたい分かっていたので。正直、あそこはパスを出すっていう選択肢しかなかった。いかにタメを作り、サイドに出すか」
 
 金崎はしっかりとシュートを打てているだけに、鈴木のパスを出すまでのタメの作り方は完璧に見えた。しかし、本人は納得していないようだ。
 
「パスを出すタイミングが、もうひとつ遅ければ、もっとピッタリ合っていたと思う。ちょっと早かったかな、と」
 
 その風貌や強気な言動から、ガムシャラに、貪欲に、なりふり構わず自分でゴールを目指すタイプかと思っていたが、どうやら違うようだ。
 
 もちろん、良い意味でエゴイスティックに得点を狙いに行く部分はありつつ、周囲の状況をよく見て、利他的に振る舞うこともできる。それだけに、「夢生君が上がるタイミングを見て、ちゃんと1対1になるようにっていう。良いパスを出したつもりだったけど……」と悔しさを滲ませた。
 
「チームのために」とはよく聞かれるフレーズだが、それを実際にピッチ上で体現できる男でもある。ベンチスタートを良しとはしていないが、不貞腐れるような愚かな態度はとらない。チームの勝利のために、なにが自分にできるか――どんな立場に置かれても、そこがブレていないから、結果を出すことができるのだろう。
 
「ハネさん(羽田コーチ)とかヤナさん(柳沢コーチ)にも言われましたけど、自分自身も、(最近のチームは)試合の途中から勢いをつけられていないと感じていました。ハネさんからは、自分が悪くてスタメンを外されたわけではないと、石井さんからは、途中から勢いをつけてほしいと言われていた。だから、途中から出て、絶対にみんなを楽にしてあげようと考えていたなかで、少しは楽にできたかなと思います」
 
 ユース出身でクラブが大きな期待を寄せる20歳のアタッカーは、プロ2年目の今季、充実のシーズンを送っている。常に課題を探しながら、同時に確かな成長を実感しているはずだ。
 
 第2ステージも残り5試合。第1ステージを制し、すでにチャンピオンシップの出場権を得てはいるものの、「もう一戦も落とせない」とさらなる高みを目指して、鈴木はその表情をグッと引き締めた。
 
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