2011年のメキシコ・Ｕ－17ワールドカップに出場し、松本は攻撃の中心選手としてベスト８入りを果たした。準々決勝のブラジル戦では２-３と、わずか１点差という死闘を演じた。そしてＵ－19日本代表の司令塔として臨んだ14年のミャンマー・Ｕ－19アジア選手権では、10番を託されて４大会ぶりのＵ－20ワールドカップ出場を目指した。
 
　しかしグループリーグのベトナム戦で膝を負傷。緊急帰国を余儀なくされ、出場権を懸けた北朝鮮戦に出場できなかった……。日本はPK戦の末に敗れて、またも世界大会行きの切符を逃した。結果的に松本がいれば――という展開になってしまった。
 
　そしてリオ五輪にはU-17ワールドカップでともに戦った、南野拓実、植田直通、中島翔哉らが出場。松本はリオ五輪代表の候補に入ったことはあったが、結局、実戦形式でプレーする機会は訪れなかった。オールラウンダータイプではあるが、“なにか”決め手となる武器がなかったと言えた。
 
　これまで20試合・1得点。全試合に先発し、実に19試合でフル出場している。最近は13試合連続フル出場中だ。ちょっとやそっとでは動じない。タフなバランサーという印象を強めている。
 
　リオの地は踏めなかったが、ワールドカップへの想いは持っている。リオ“未経由”ロシア行――それは目標のひとつとなっている。
 
「（日の丸を再び着るという）サッカー選手であるからには、その目標は常に持っている。すべてはトリニータを昇格させること。そこからです」
 
　かつてはプロヴィンチャの星とまで呼ばれた大分トリニータ。苦悩の時代を歩みつつも、今なお数多くの有望株をユース世代の日本代表に送り込み続けている。
 
　苦しい時代を知る松本が、大分を復活させる。
 
【J3順位表（20節終了時）】
順位　クラブ名／勝点／試合数／勝／分／負／得点／失点／得失点
1　栃木SC／43／20／13／4／3／24／11／13
2　鹿児島ユナイテッドFC／37／20／11／4／5／27／15／12
3　大分トリニータ／36／20／11／3／6／31／19／12
4　カターレ富山／33／20／9／6／5／25／17／8
5　AC長野パルセイロ／33／20／9／6／5／20／14／6
6　ブラウブリッツ秋田／31／20／8／7／5／22／18／4
7　SC相模原／30／20／8／6／6／20／20／0
8　藤枝MYFC／29／20／9／2／9／30／28／2
9　Ｇ大阪Ｕ－23／27／20／7／6／7／27／24／3
10 ＦＣ琉球／26／20／7／5／8／28／33／-5
11　C大阪Ｕ－23／21／20／5／6／9／24／28／-4
12　福島ユナイテッドFC／20／20／4／8／8／22／25／-3
13　グルージャ盛岡／20／20／4／8／8／24／28／-4
14　FC東京U－23／18／20／4／6／10／18／25／-7
15　ガイナーレ鳥取17／20／4／5／11／15／31／-16
16　Y．S．C．C．横浜／16／20／4／4／12／7／28／-21