世界的に高評価を得ていた歴代のイングランド人名手ですら…。
セリエAで成功したイングランド人選手の少なさは、これを果たした選手たちがいかに優れていたかの証明でもあるが、イタリアで良い時間を過ごすことができなかった選手には、世界的に高い評価を得ていた者も少なくない。
1982年からサンプドリアに所属したトレバー・フランシスは、イングランドで初めて移籍金が100万ポンドを超えた歴史的な選手だったが、このイングランド代表ストライカーでも、イタリアでの5シーズンでは18得点に止まった。
80年代前半に期待のストライカーとして注目されたワトフォードのルーサー・ブリセットはミランに迎え入れられるも、30試合で5得点という成績を残して、1シーズンで英国に舞い戻ることとなった。
ミランには1984年にも、FWのマーク・ヘイトリー、MFのレイ・ウィルキンスという現役イングランド代表が加入している。
パオロ・マルディーニら、後にイタリア・サッカーを支えていく若い選手たちに好影響を与えるなどの貢献はあったが、ピッチ上では満足のいく実績は残したとは言い難く、ルート・フリット、マルコ・ファン・バステンとの入れ替わりで、黄金時代の幕開けを前にミランを去って行った。
1982年にバイエルンをチャンピオンズ・カップ(現リーグ)決勝で破って世界を驚かせたアストン・ビラの中核、ゴードン・コーワンズも85年にバーリの一員となったが、1年目でチームは15位に沈み、あとの2シーズンをセリエBで過ごすこととなった。
1992年には、イングランド代表の攻撃の要であり、同国のアイドルでもあったポール・ガスコインがイタリア上陸。ラツィオでの1シーズン目はまずまずの出来だったものの、以降は怪我などに苦しみ、3シーズンで残した数字は43試合出場・6得点というものだった。
以降、代表クラスでイタリアに上陸したのはSBのスペシャリスト、アシュリー・コールぐらいだが、彼も2004年に加入したローマではわずか11試合に出場しただけで、契約を満了することなくアメリカ(LAギャラクシー)に新天地を求めている。
なお、現在はジュビロ磐田でプレーするストライカー、ジェイ・ボスロイドも2003年からペルージャに完全移籍して26試合出場・4得点の記録を残した後、翌シーズンにはブラックバーンへのレンタル移籍で帰国した。
このように、イングランド人にとっては厳しいセリエAだが、とりわけ困難の多そうなGKというポジションで、ハートは確固たる実績を残せるか。「トリノダービー」でのジャンルイジ・ブッフォンとの対決も含め、楽しみである。
◎これまでのイングランド人セリエAプレーヤー
FW
ジョニー・ジョーダン(ユベントス/1948-49)
チャールズ・アドック(パドバ/1949-50、トリエスティーナ/1950-51)
ジミー・グリーブス(ミラン/1961)
ゲリー・ヒッチェンス(インテル/1961-62、トリノ/1962-65、アタランタ/1965-67、カリアリ/1967-69)
ジョー・ベーカー(トリノ/1961-62)
トレバー・フランシス(サンプドリア/1982-86、アタランタ/1986-87)
ルーサー・ブリセット(ミラン/1983-84)
マーク・へイトリー(ミラン/1984-87)
ポール・ライドアウト(バーリ/1985-88)
フランズ・カー(レッジャーナ/1996-97)
ダニー・ディチオ(レッチェ/1997-98)
ジェイ・ボスロイド(ペルージャ/2003-04)
MF
アンソニー・マーチ(ヴィチェンツァ/1957-58、トリノ/1958-59)
レイ・ウィルキンス(ミラン/1984-87)
ゴードン・コーワンズ(バーリ/1985-88)
デイビッド・プラット(バーリ/1991-92、ユベントス/1992-93、サンプドリア/1993-95)
ポール・ガスコイン(ラツィオ/1992-95)
ポール・インス(インテル/1995-97)
リー・シャープ(サンプドリア/1998-99)
デイビッド・ベッカム(ミラン/2009・2010)
ナサニエル・チャロバー(ナポリ/2015-16)
ラベル・モリソン(ラツィオ/2015-16~)
DF
ポール・エリオット(ピサ/1987-89)
デス・ウォーカー(サンプドリア/1992-93)
アシュリー・コール(ローマ/2014-16)
マイカ・リチャーズ(フィオレンティーナ/2014-15)
1982年からサンプドリアに所属したトレバー・フランシスは、イングランドで初めて移籍金が100万ポンドを超えた歴史的な選手だったが、このイングランド代表ストライカーでも、イタリアでの5シーズンでは18得点に止まった。
80年代前半に期待のストライカーとして注目されたワトフォードのルーサー・ブリセットはミランに迎え入れられるも、30試合で5得点という成績を残して、1シーズンで英国に舞い戻ることとなった。
ミランには1984年にも、FWのマーク・ヘイトリー、MFのレイ・ウィルキンスという現役イングランド代表が加入している。
パオロ・マルディーニら、後にイタリア・サッカーを支えていく若い選手たちに好影響を与えるなどの貢献はあったが、ピッチ上では満足のいく実績は残したとは言い難く、ルート・フリット、マルコ・ファン・バステンとの入れ替わりで、黄金時代の幕開けを前にミランを去って行った。
1982年にバイエルンをチャンピオンズ・カップ(現リーグ)決勝で破って世界を驚かせたアストン・ビラの中核、ゴードン・コーワンズも85年にバーリの一員となったが、1年目でチームは15位に沈み、あとの2シーズンをセリエBで過ごすこととなった。
1992年には、イングランド代表の攻撃の要であり、同国のアイドルでもあったポール・ガスコインがイタリア上陸。ラツィオでの1シーズン目はまずまずの出来だったものの、以降は怪我などに苦しみ、3シーズンで残した数字は43試合出場・6得点というものだった。
以降、代表クラスでイタリアに上陸したのはSBのスペシャリスト、アシュリー・コールぐらいだが、彼も2004年に加入したローマではわずか11試合に出場しただけで、契約を満了することなくアメリカ(LAギャラクシー)に新天地を求めている。
なお、現在はジュビロ磐田でプレーするストライカー、ジェイ・ボスロイドも2003年からペルージャに完全移籍して26試合出場・4得点の記録を残した後、翌シーズンにはブラックバーンへのレンタル移籍で帰国した。
このように、イングランド人にとっては厳しいセリエAだが、とりわけ困難の多そうなGKというポジションで、ハートは確固たる実績を残せるか。「トリノダービー」でのジャンルイジ・ブッフォンとの対決も含め、楽しみである。
◎これまでのイングランド人セリエAプレーヤー
FW
ジョニー・ジョーダン(ユベントス/1948-49)
チャールズ・アドック(パドバ/1949-50、トリエスティーナ/1950-51)
ジミー・グリーブス(ミラン/1961)
ゲリー・ヒッチェンス(インテル/1961-62、トリノ/1962-65、アタランタ/1965-67、カリアリ/1967-69)
ジョー・ベーカー(トリノ/1961-62)
トレバー・フランシス(サンプドリア/1982-86、アタランタ/1986-87)
ルーサー・ブリセット(ミラン/1983-84)
マーク・へイトリー(ミラン/1984-87)
ポール・ライドアウト(バーリ/1985-88)
フランズ・カー(レッジャーナ/1996-97)
ダニー・ディチオ(レッチェ/1997-98)
ジェイ・ボスロイド(ペルージャ/2003-04)
MF
アンソニー・マーチ(ヴィチェンツァ/1957-58、トリノ/1958-59)
レイ・ウィルキンス(ミラン/1984-87)
ゴードン・コーワンズ(バーリ/1985-88)
デイビッド・プラット(バーリ/1991-92、ユベントス/1992-93、サンプドリア/1993-95)
ポール・ガスコイン(ラツィオ/1992-95)
ポール・インス(インテル/1995-97)
リー・シャープ(サンプドリア/1998-99)
デイビッド・ベッカム(ミラン/2009・2010)
ナサニエル・チャロバー(ナポリ/2015-16)
ラベル・モリソン(ラツィオ/2015-16~)
DF
ポール・エリオット(ピサ/1987-89)
デス・ウォーカー(サンプドリア/1992-93)
アシュリー・コール(ローマ/2014-16)
マイカ・リチャーズ(フィオレンティーナ/2014-15)