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「僕のようになって欲しくない」フロンターレ愛を貫き、新米コーチとなった安藤駿介が志す指導者像とは

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2026年01月18日

小見出し決して怠らなかった準備

昨年のACLでは9年ぶりに公式戦のピッチに。準備、積み重ねの大切さを改めて示した。(C)SOCCER DIGEST

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「自分のようになって欲しくない」と話す。

 ただ、先輩たちの背中を追い、常に準備を怠らなかった姿は、後進たちの良き道しるべになるに違いない。安藤はプロ17年、どんな時も決して気を抜かず、ベンチ入りを果たせなくても投げやりになるのではなく、何かトラブルがあればすぐにでもメンバーに入れるように常に試合に向けた用具を持ち歩いていた。

 スタンドで、テレビで、チームメイトたちが戦う姿を何年も見続け、それでも自暴自棄にならずに準備をし続ける。まさに尊敬する姿である。

「(昨年のACLで9年ぶりに公式戦のピッチに立ったと話題になったが)自分が努力してきたかどうかは周りに決めてもらうものですが、アクシデントがあった時に自分が元気でいることが大事なのかなと思っています。例えばあのACLの時だって自分が風邪をひいていたり、怪我をしていたら、結局自分にチャンスが巡ってこない。そういう意味では準備を続けてきたことが出場につながり、更に勝ちにつながり、無失点につながった。すべてつながっているんですよね。ありがたいことに僕は身体が丈夫なまま引退でき、ちょっと心残りでもありますが、そういう準備のところは残せたひとつの形かなと思います。

 そこは先輩の背中を見てきました。特に1年目から3年目が大きかったです。それこそ僕がアカデミーから昇格した時は川島永嗣さんが絶対的な守護として所属していましたが、その後、海外移籍し、相澤(貴志/現・福島GKコーチ)さん、杉山(力裕/現・福岡の強化部)さんらが常に準備し、杉山さんは怪我も抱えていましたが、相澤さんがチャンスをものにしている姿を見て、こういう人たちがプロで長くやっていくんだ、急に来たチャンスを掴むんだと学び、僕も若手なりに自分で勉強してきました。その経験が今につながっていますね」

喜びの輪の中にはその姿があった。まさにチームのために戦う存在であった。(C)SOCCER DIGEST

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 また安藤は「海外のGKトレーニングの映像などを見るのが好き」と自らの技術力アップにも努めてきた。

 ひとつのクロス対応、失点シーンはなぜ起こったのか。ひとつ一つのプレーについて何時間でも話し合えるほどGKというポジションへの愛着は強く、造形も深い。

 2024年のアジアカップ、当時、日本代表では経験の浅かったGK鈴木艶彩の対応がやり玉に挙げられることが多かったが、「あのクロスの処理にしたって色んな角度から見ることができる。ただ単に批判されるのは同じGKとして可哀そう」と話していたのも安藤らしかった。今後もそうやって温かい目で後進たちのプレーを見ていくのだろう。

 アシスタントGKコーチとして目標にしていることもある。

「指導者として経験がない分、明確にこれとは言えないですけど、自分が指導した選手が年代別やA代表に入ったら嬉しいんでしょうね。ただ、僕もそうだったように一瞬一瞬の喜びは、代表入りとかじゃなくても良いんです。練習のひとつ、公式戦の1試合を取って、その選手のワンプレーワンプレーに成長を感じられたらコーチとして幸せだと思うんです。

 3月には上手くできなかったことが、5月にはできるようになり、7月には完全にマスターしているというような姿を見ることができたら、指導した自分を褒めてあげたい気持ちにもなるでしょうし、選手のことをもっと褒めてあげたい。そこは楽しみですね。

 自分のためにやってきたサッカーを、今度は人のために還元する。そこは未知ですが、イチからしっかり勉強していきたいです」

 安藤がどんな指導者になっていくのか、大いに楽しみである。

第4回に続く。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

【インタビュー・パート1】川崎所属16年で公式戦出場は「10」。それでも愛され続けた安藤駿介が残した偉大な足跡

【インタビュー・パート2】妻、家族に支えられた安藤駿介が川崎で引退を決断した運命的な一日。印象的だったセレモニー後の母の姿

【インタビュー・パート4】「クラブが沈むのはJ2に落ちた時じゃない」「うちのスタッフは日本一働いている」安藤駿介が伝え続ける伝統と疎かにしちゃいけないフロンターレの魂
 
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