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「僕のようになって欲しくない」フロンターレ愛を貫き、新米コーチとなった安藤駿介が志す指導者像とは

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2026年01月18日

“特殊な人間”と自己分析

フロンターレでプレーすることにこだわってきた安藤。その考えを貫き続けた。(C)SOCCER DIGEST

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 川崎フロンターレでプレーすることに幸せを感じ、こだわり続けたGK安藤駿介が、現役生活にピリオドを打ち、新シーズンからアシスタントGKコーチを務めることになった。川崎の伝統を知る男は今何を感じているのか。インタビューシリーズである(第3回/全4回)。

――◆――◆――

 1月6日、2026年の始動日、新米コーチとして昨年までの同僚たちと汗を流す安藤の姿があった。

 もっともその席はもうロッカールームにはない。スタッフルームのデスクが新たな居場所だ。新シーズンの準備を駆け足で進めていくなか、経験のない分野に悪戦苦闘もしていくのだろう。

 改めて安藤はどんな指導者になりたいのか。ひとつの考えとしては「自分のようになって欲しくない」という想いがあるという。

 川崎での通算の出場数は所属16年で「10」。ピッチに立てない葛藤も抱えてきた。ただ、“特殊な人間”とも自己分析する。

等々力ラストマッチでは、チームメイトら全員と記念撮影も。(C)SOCCER DIGEST

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「もちろんジレンマと言いますか、これはちょっと自分の弱い部分ではあるんですけど、他の選手たちへのリスペクトは絶対に必要ですが、僕は相手を認め過ぎちゃうところはあったと思います。負けん気というか、コンチクショウという気持ちがないわけじゃないんですけど...。嫉妬心がないんですよ。根底にあるのは『僕は僕だから』という想い。自分は他の人のようにはなれないけど、他の人も僕にはなれないでしょ、と考えていました。

 だから僕はモチベーションっていう言葉はあまり必要ないと思っているんです。いや例えば金額がモチベーションで、良いオファーが来て給料が倍になるということがモチベーションにつながるなら、全然ありだと思いますし、なんならそれが当たり前のような気もします。でも僕は自分のことを理解してくれる人が多くいる環境で、好きなサッカーに携われることが幸せだから、波が少ないんですよね。フロンターレにいられるだけで幸せだったので、沈むこともそんなになかったんです。

 そりゃ僕だってピッチには立ちたいですよ。だからポジションを争ったソンさん(チョン・ソンリョン)らを見て、体形や特長は異なるので、僕は同じようになれないと考え、色々盗ませてもらいながら、自問自答して、自分のスタイルで勝負すべきだとやってきました。ソンさんらの壁は越えられませんでしたが、自分と向き合い、『今日はこれができた』と積み重ねていく日々、そしてフロンターレでの生活はやっぱり楽しかったです。

 一方で、ポジション掴めずに移籍し、新たな挑戦に踏み出す選手は率直に凄いとも思ってきました。違う環境で、自分の地位を確立している選手に対して、僕は尊敬しかないですね。

 だから、自分のことを客観的に見たら特殊だと思いますし、指導者をこれからさせていただくなかで、自分のようにはなって欲しくないという想いはあります。GKとしての考え方、理論はぜひ伝えていきたいですが、やっぱり選手である以上は、試合に出るための選択をどんどんして欲しいですし、そういう指導をすると思います。

 それでも自分みたいにどうしてもフロンターレでやり続けたいという選手がいれば、その選手も全力で支えたい。でもまずはやっぱり試合に出るために努力して、もし壁を超えられなかったら環境を変えてでもやるべきだよね、っていう風にアプローチはしたいです。サッカー界いや、プロのスポーツ界はやはり勝負事ですから。僕はチームの勝利のためにでき得ることをしてきたつもりですが、個人の勝負には勝てなかった。それでも幸せだったのは、僕が特殊な人間だったからで、長い目で見れば良かったと思いますが、若い選手たちには、やっぱり僕のようになって欲しくないと伝えると思います」
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