チーム不振の責任を取り、10月27日にブレンダン・ロジャーズ監督が辞任すると、クラブのレジェンド監督、マーティン・オニールが暫定指揮官に就いた。その後、セルティックはリーグ戦で３連勝。国内カップの準決勝ではライバルのレンジャーズを下し、ELではミッティランに敗れたものの、フェイエノールトに勝利した。

「いつも、新しい監督が来ると最初、出られないなか、与えられた時間で結果を残して、今のポジションがあるという自負があります。本当は（監督が代わったとしても）最初から出ないといけないんですけれど、そこは少しずつ変化が出てきて良かったのかなと思います。（オニール監督は）暫定でも結果を残してきたと思います。難しいなか、俺が言うことではありませんが、本当に丁寧に選手と接してやっている印象があります」

　あらためてフェイエノールト戦を振り返ると、立ち上がりに失点し、その後も押し込まれる時間帯があった。そこで効いたのが味方のスピードを活かした旗手の縦パスで、フェイエノールトの陣形が後退。さらに旗手が長駆スプリントでゴール前まで迫った。こういう作業の積み重ねが、自身のアシスト＆ゴールにつながった。
 

「試合をフルで見ないと分からない、目に見えないようなところが僕の特長でもあると思う。今日の場合、そこが試合をすごく変えることができたのかなと思います。だからそこはプラスに捉えたい。ただ、これに満足することなく、さらに、さらに高みを目ざしていきたいです」

　３月25日のW杯アジア最終予選、サウジアラビア戦（０－０）を最後に、日本代表メンバーリストから旗手の名が消えて久しい。次の代表活動は来年３月。これが終わるとすぐワールドカップだ。この大舞台に向けて本人は何を思うのか？

「難しいし、発言もあまりしたくない」

　その一言で十分、彼の真意が伝わってきた。しかし、旗手は丁寧に言葉を紡いでくれた。

「ただ、もちろん試合を見て悔しい思いはしている。日本代表が勝つことはすごく嬉しいことですし、励みになりますし、ただ悔しい思いもいっぱいある。でも最後の最後まで何があるか分からない。４年前、自分も経験してます。自分も（カタールW杯に挑むメンバーに）入れる可能性があったけれど、最後の最後に違う選手が入った。最後の最後まで本当に何が起こるか分からない世界だと思うので、自分のコンディションに集中していければいいと思います」

取材・文●中田徹

【画像】どこもかしこもデザイン刷新！ 世界各国の北中米W杯“本大会用ユニホーム”を一挙公開！

【記事】「全く納得していません」出番なしが続いた日本代表DFが指揮官に伝えた本音。試合前日に告げられた突然の“アンカー起用”で奮闘も…CL５連敗に「キツかった」【現地発】

【記事】「もの凄いパフォーマンスだ」欧州名門で“スケープゴート”にされた28歳MFがEL日本人対決で圧巻の１G１A！現地メディアは手のひら返しで絶賛「すべてをコントロール」