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「エースはお前だ!」「驚きの発見」蘭レジェンドたちも絶賛する8戦8発の上田綺世、わずか2か月の“進化と変化”に絶好調の真相を見る【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2025年10月08日

フェイエノールトの全員が上田との「成功体験」を共有し合っている

「ゴール以外の仕事」での存在感も際立つ。フェイエノールト攻撃陣のまさに急先鋒だ。(C)Getty Images

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 2025年2月にファン・ペルシがフェイエノールトの指揮官に就いてから、上田はエースストライカーとしての地位を確立させている。おそらくクラブ内ではまだ信用を勝ち切ってなかったことから、夏の市場ではさまざまな噂が飛び交ったが、現場ではプレシーズンから上田がずっと正ストライカーだった。

 フェイエノールトが夏の市場で獲得したストライカーは、デンマーク人FWカスパー・テングステッド、そしてラリンのふたり。テングステッドは10月2日のブラガ戦(EL)で先発に抜擢されたが期待に応えられず、かつての名MFラファエル・ファン・デルファールトは「彼を獲得したスカウトはすぐにクビだ!」と辛辣な意見を述べている。

 スペインのマジョルカから買い取りオプション付きで9月2日にフェイエノールトと契約したラリンは、これからコンディションを上げて本調子を取り戻そうとしているところ。ファン・ホーイドンク以外にも、オランダ国内では「正位置を争うライバル不在が、上田の不安を取り除いている」という声がかなり多い。

「エースはお前だ」という指揮官からの信頼、ゴールを重ねることで生まれた自信、「綺世にパスを出せばアシストが付く」というチームメイトの期待――。これらが噛み合って、今のフェイエノールトは全員が上田との成功体験を共有し合っている。すると、さらに上田のプレーコンテンツが上質なものになっていく。ユトレヒト戦の上田は、前線に張ることで作ったスペースに自ら降りて、頻繁にビルドアップの経由基地になっていた。また、スローインを近くで受けたり、遠くで胸トラップしてから逆サイドに展開したり、ヘディングで競り勝ったり、スローインのファースト・ターゲットになっていた。
 
 今から2か月前、エクセルシオール戦で、前線に張ってチームに奥行きを作るタスクを実行した上田と、こういう話をした。

――上田選手は自分にあんまりボールが入らなくても下がらない。

「相手のCBと戦うことがチームのビルドアップで求められていること。なるべく高い位置を取って、中盤にスペースを作って。そのスペースを自分が使ってもいいけれど、僕はビルドアップに参加して、降りて組み立てるタイプでもない。だから逆に空けておいて自分がプレーしているエリアを確保している。そうしたら味方もうまく使えますしね。だから、自分は下がらないようにして、相手を高い位置で止めるように意識してます」

 最近のアストン・ビラ戦(EL)後、私が彼に「引かなくなりましたよね」と訊くと「いえいえ、まあ」と一旦、間合いを入れてから「フォワードらしいプレーを、フォワードらしく求められるようになりました」と答えた。その「いえいえ、まあ」の一言に、「細かく言うと違うんだけど」というメッセージを受け取った。というのも、アストン・ビラ戦の上田は、中盤でパスを受ける前にターンして相手を置き去りにしたり、中盤に引いてからスルーパスを通したりしていたからだ。

 そのことをヒントにユトレヒト戦の上田を見ると、ユトレヒトのDFとMFのライン間にポジションを取って、安定したポストプレーを披露していた。また、彼がもともと得意としている相手の背後を突くフリーランニングでも、ちょっと引いた位置からスプリントを開始している。タルガリネのスルーパスを受けて、先制ゴールを決めたシーンもそう。ユトレヒトの選手が付きづらい曖昧なゾーンにポジションを取ってから、上田はトップスピードに乗って味方からのパスを引き出した。

 わずか2か月前、「僕はビルドアップに参加して、降りて組み立てるタイプでもない」ということで、自分が作ったスペースを味方のために供給していた上田は、そのスペースに降りて活用する頻度を増やしていた。
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