「ドロンパが座っていても勝てるチームに」クラブユース日本一を勝ち取ったFC東京U-18が育む自立心

カテゴリ:高校・ユース・その他

川端暁彦

2016年08月05日

準々決勝当日にもU-18からJ3の試合に選手を送り込む。

U-23チームでJ3の試合にも出場経験のあるDF鈴木。この日は先制点をゲットし、優勝に大きく貢献した。写真:石倉愛子

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 そしてここが“肝”だったと思うのだが、佐藤監督はU-23との往復となった選手たちを甘やかすことを絶対にしなかった。U-23で完全な主力DFとなっていた岡崎慎についても、関東予選でチームに帰ってきた試合で「強度を落としてプレーしてしまった」(岡崎)と観るや、厳しく指摘。MF鈴木喜丈らにもU-23チームでやっている時と同等の強度と集中力を要求し、できなければメンバーから外すことも辞さない覚悟を示した。
 
 今大会、鈴木や岡崎、生地といったJ3との掛け持ちになった選手が疲労を言い訳にすることなく目覚ましいプレーを見せたのは、自律を求められてきた下地があったからだ。「ずっとやってきた選手を押しのけてパッと出るのは難しさもある」(佐藤監督)からこそ、U-23にいた選手がU-18に戻って来た時は、相応のプレーを見せる必要があるのだ。
 
 迎えたクラブユース選手権、FC東京U-23は大会前日と準々決勝当日にJ3の試合を戦っている。当たり前のようにそちらへ参戦した選手がいるなかで、しかしチームは強度と機能性、そしてなにより一体感を維持し続けた。「今年のチームには考える力と主体性のある選手が揃っていた」からだと佐藤監督は説明するが、言うほど簡単なことではないだろう。
 
 決勝の試合後、佐藤監督に続いて「ドロンパ総監督」の胴上げも行なわれていた。「今日はベンチに(ドロンパの)人形を置いても勝てる試合だった」という指揮官の言葉を肯定するような光景だったかといえば、これは違うだろう。たとえベンチが人形でも勝てるようなチームになるべく自立と自律を求めて来た佐藤一樹監督と選手たちが過ごした3シーズン。その積み重ねがあってこその勝利だった。
 
取材・文:川端暁彦(フリーライター)
 

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