風間監督がプレーヤーを心酔させられるわけ。
今のJリーグで、集団を統率し、理想を裏切らず、なおかつ選手の才能を飛翔させられている監督は、川崎フロンターレの風間八宏監督(54歳。世界の潮流と比べると少し年齢は上だが)など限られた人物だけだろう。
風間監督は2012年に川崎の監督に就任して以来、着実にチームを強化してきた。ポゼッションゲームの理念を失わず、そのためのスカウティングとトレーニングは一貫している。それによって、何人もの選手を日本代表にも送り出してきた。
「監督の言っていることを、メモしようと思った。めっちゃいいこと言うから。そんなこと考えたの初めてやった」
川崎のFW、大久保嘉人がそう語っていたことがあったが、それまで得点数の波が激しかったストライカーは3年連続得点王に輝いている。風間監督はボールプレーの質を向上させ、それを勝利に結びつけつつある。中村憲剛を熟達させ、小林悠を飛躍させ、谷口彰悟、車屋紳太郎、奈良竜樹、大島僚太ら若い選手の力を開花させ、大塚翔平を再生させつつある。
風間監督はプレーヤーを心酔させられる。なぜならサッカーに対してエネルギッシュで好奇心が強いのに、考え方は一貫し、なにより言葉の説得力を持っているからだ。その壮気が選手の胸を打つ。まさに革命的と言えよう。
「一流監督の条件は、勝利やタイトルではない。選手の才能を見いだし、伸ばし、チームの成長につなげられるか。そしてハッとするプレーをピッチに作り出す」
名将ルイス・セサル・メノッティの言葉である。
20年余の歴史を持つJリーグで、今こそ、蒙を啓くような監督の登場が望まれる。
文:小宮良之(スポーツライター)
【著者プロフィール】
小宮良之(こみや・よしゆき)/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡り、ジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。
風間監督は2012年に川崎の監督に就任して以来、着実にチームを強化してきた。ポゼッションゲームの理念を失わず、そのためのスカウティングとトレーニングは一貫している。それによって、何人もの選手を日本代表にも送り出してきた。
「監督の言っていることを、メモしようと思った。めっちゃいいこと言うから。そんなこと考えたの初めてやった」
川崎のFW、大久保嘉人がそう語っていたことがあったが、それまで得点数の波が激しかったストライカーは3年連続得点王に輝いている。風間監督はボールプレーの質を向上させ、それを勝利に結びつけつつある。中村憲剛を熟達させ、小林悠を飛躍させ、谷口彰悟、車屋紳太郎、奈良竜樹、大島僚太ら若い選手の力を開花させ、大塚翔平を再生させつつある。
風間監督はプレーヤーを心酔させられる。なぜならサッカーに対してエネルギッシュで好奇心が強いのに、考え方は一貫し、なにより言葉の説得力を持っているからだ。その壮気が選手の胸を打つ。まさに革命的と言えよう。
「一流監督の条件は、勝利やタイトルではない。選手の才能を見いだし、伸ばし、チームの成長につなげられるか。そしてハッとするプレーをピッチに作り出す」
名将ルイス・セサル・メノッティの言葉である。
20年余の歴史を持つJリーグで、今こそ、蒙を啓くような監督の登場が望まれる。
文:小宮良之(スポーツライター)
【著者プロフィール】
小宮良之(こみや・よしゆき)/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡り、ジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、2016年2月にはヘスス・スアレス氏との共著『「戦術」への挑戦状 フットボールなで斬り論』(東邦出版)を上梓した。