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シアトルで浦和の前評判は決して高くない。逆風をはねのけられるか。松尾佑介は「最初の10分で観察して弱点を探す」【現地発】

カテゴリ:国際大会

元川悦子

2025年06月17日

ここ一番のチャンスを逃さない鋭さで

キックオフは正午。不慣れな環境下でのゲームとなるが、チームは周到な準備をしてきた。(C)J.LEAGUE

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 鍵を握る背番号24が輝いた好例として挙げられるのが、4月13日のFC町田ゼルビア戦のロングカウンターだ。西川のフィードを渡邊凌磨が前線にはたき、松尾が一気に中央に飛び出して左足シュートを決める形だったが、リーベル戦でも似たような崩しが出れば、浦和はかなり有利な状況に立てると見ていい。

 快足FWに数多くのチャンスボールを配球できるように、浦和としては、リーベルの1トップであるドゥリッシ、左FWのコリーディオ、右FWのマスタントゥオーノの強力3トップを確実に抑えるところからスタートしたい。そのうえで、サミュエル・グスタフソンや渡邊、マテウス・サヴィオらパス出しに長けたMF陣がプレーに関与する状況を作り出すことが肝要だ。
 
 おそらくボール支配率ではリーベルが上回るだろうが、ここ一番のチャンスを逃さない鋭さがあれば、必ずサプライズは起こせる。今回の浦和はチャレンジャー精神を前面に押し出していくしかないのだ。

 正直に言って、シアトルで浦和の前評判は決して高くない。リーベルを取り巻く報道陣もグループ突破後に欧州の強豪に挑むことをイメージしている様子だった。そんな逆風をはねのけ、日本の底力を示してくれればベストなシナリオ。浦和の真価が問われるのは、まさに今。ここからの本領発揮を期待したいものである。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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