現在、水沼の他に酒井宏樹（オークランド）、長澤和輝（ウェリントン・フェニックス）、指宿洋史（ウェスタン・ユナイテッド）らがプレーしているAリーグでは、過去にも本田圭佑、小野伸二といったビッグネームをはじめ、多くの日本人選手が活躍した。

　現地で１番有名な日本人サッカー選手といえば、誰になるのだろうか。

「本田圭佑さんがメルボルン・ビクトリーでプレーしていたので、その印象はあるみたいです。同じくAリーグで活躍した小野伸二さんもそうだし…そういう選手はみんな知っていますね。あと、プレミアリーグでプレーしていた（香川）真司くんとかも知っていましたね」

　この質問に絡め、「サッカー選手に限らず、オーストラリアで１番有名な日本人」と、同国は俳優のヒュー・ジャックマンら世界的スターを数多く輩出しているなかで、「オーストラリアで１番の有名人」も訊いてみた。すると、１つは頭を悩ませ、１つは即決だった。

「日本の俳優とかもあまり分かってなさそうだったし、スポーツ選手もそこまで詳しく分かってなかったですね。大谷（翔平）選手の名前もあまり聞かなかったですね。だからまだまだ、日本選手や日本人が話題になるようなことはちょっと少ないかもしれないですね。

　オーストラリア人の方は、僕はすぐイアン・ソープが頭に浮かびました。多分、世代というか、水泳が盛り上がった時に、『この人オーストラリア人なんだ』って思った印象があったので。ヒュー・ジャックマンとかは別にオーストラリア人のイメージがないです。でもやっぱりサッカー選手、それこそ去年マリノスの監督だったハリー・キューウェルや、ワールドカップで戦っていた（ティム・）ケイヒルや（マーク・）ヴィドゥカは、オーストラリア人のイメージとしてありますね」
 

　ちなみに「大谷選手の名前もあまり聞かなかった」という発言からも窺えるように、オーストラリアで野球はマイナースポーツだ。

　水沼が「向こうで野球は１回も見たことがないです。もちろん存在は知っていると思いますよ。みんなが携帯で見ているのは、ラグビーやオーストラリアンフットボールが多いです」と伝えれば、齋藤も「WBCが開催されていること自体、知らない人もいました」「イチローさん、大谷選手を全く知らない人たちもいるので、もし誰にも知られていない場所で暮らしたいなら、オーストラリアに住んだ方がいいかもしれません」と冗談交じりに語っていた。

　水沼はオーストラリアで抜群の知名度を獲得し、指折りの有名日本人となれるか。明るいキャラクターでも魅せる元気印は、ポテンシャル十分だ。

取材・構成●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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