骨の髄まで“C・ロナウドのチーム”だったポルトガル

カテゴリ:国際大会

白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

2016年07月11日

ピッチを離れてからも、最大の基準点、拠り所であり続けた。

試合後、C・ロナウドは「お前が決勝ゴールを決める」と激励し、その期待に応えたエデルを涙ながらに祝福した。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 弱冠19歳で臨んだ自国開催のEURO2004の決勝で伏兵ギリシャに敗れて流した悔し涙を、12年後に嬉し涙に変えたC・ロナウドは、「プロサッカー人生のなかでも、最も幸せな瞬間だ」と心の底から喜んだ。
 
「家族や友人とともに嬉し泣きをした。とても幸せだよ。クラブでは全てのタイトルを獲り尽くしたけど、代表では何も勝ち取っていなかった。それがずっと不満だったんだ。今日は僕にとって不幸なことが起こったけど、チームメイトたちがクオリティーと粘り強さを見せてくれたね。仲間、コーチ、そして国民に感謝したい」
 
 今大会中もずっと「ポルトガルにトロフィーを持ち帰ることがキャリア最大の夢」と語り続けてきたC・ロナウドの熱意は、窮地に追い込まれたチームを支えた。とりわけメンタルの部分で。
 
「クリスチアーノは我々にとってすべての希望だったから、失ったダメージはもちろん大きかった。でも、僕はみんなに彼のために勝とうって伝えたんだ。今大会の一番の殊勲者はクリスチアーノだと思う」(ペペ)
 
「クリスチアーノは僕に、『お前が決勝ゴールを決める』って言ってくれたんだ。心強かったし、ポジティブになれたよ」(エデル)
 
「私たちのキャプテンはとても頑張ってくれた。驚異的なチームスピリットだよ。あれだけの怪我をして二度もピッチに戻ろうとしただけでなく、ドレッシングルームとベンチでも非常に重要な存在になってくれた。彼は私と同じく、今夜はポルトガルの夜だと信じていたんだ」(F・サントス監督)
 
 やはりポルトガルは、骨の髄まで“C・ロナウドのチーム”だった。ピッチを離れてからも、チームにとって最大の基準点、拠り所であり続けたのだから。
 
現地取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

【PHOTOギャラリー】ポルトガルが悲願の初タイトル&フランスが地元決勝で敗れる悲劇
【関連記事】
【EURO2016】開催国フランスを優勝から遠ざけた“世紀の誤審”
【ポルトガル 1-0 フランス|採点&寸評】メジャー大会初戴冠のポルトガルは軒並み高評価! MOMは好セーブ連発のルイ・パトリシオ
【EURO2016】ポルトガルを初の欧州制覇に導いたエデルとは何者か?
EURO得点王のグリエーズマン「僕らは強くなって帰ってくる」
フィーゴの記録を塗り替えたC・ロナウド――ポルトガル「新旧7番」の運命的なつながり

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ