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【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』其の七十八「欧州移籍で成功を掴む覚悟はあるか?」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2016年07月07日

なぜフットボーラーは海を渡るのか?

2010年に海を渡った岡崎も新シーズンで7年目を迎える。昨季は移籍先のレスターで「奇跡の優勝」に大きく貢献。(C) Getty Images

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 なぜ欧州に行くのか?
 
 それは愚問である。フットボーラーの性質、と答えるべきか。彼らは果敢に新天地に飛び込み、極限状態に身を置きたいと心のどこかで願っている。そこで得られる興奮を、プロになるまでの過程で経験的に知ってしまっており、その誘惑からは逃れられない。人生の綱渡りを心ゆくまで楽しむ。フットボーラーはたいがい、その手の“悪たれ”の集まりである。
 
 もっとも、半端な動機だと返り討ちに遭う。
 
「ダメだったら、日本に戻ってくればいいじゃん」
 
 その手の考え方はロジカルだし、周囲が海外移籍を容認する言葉としては正しいが、本人が公然と口にすべき文句ではない。
 
「欧州に渡ってきたからには、一旗揚げるまで決して故郷には戻らないよ」
 
 欧州の2部などにたどり着いた南米やアフリカの選手は、不退転の決意で挑んでいる。その果断さがなければ、門を開けられない。あるいは一度開いても、すぐ追い出されることを承知している。そして後ろ指を指されるような撤退は、笑いものにされ、あざけりを受けても同情されない。なぜなら、それは当事者だけの問題でなく、その国の選手たち全体の株を下げることになるからだ。
 
 海を渡る、とはそういう覚悟を必要としている。

文:小宮良之(スポーツライター)
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