世界基準の衝撃!U-16日本代表が翻弄された世界トップクラスの相手マリの実力とは

カテゴリ:日本代表

安藤隆人

2016年06月28日

思うようにいかない環境・相手にこそ、サッカーIQが問われる。

激しいプレスと周到なカバーリングで組織力も見せたマリ。『世界基準』のプレーを見せつけた。写真:安藤隆人

画像を見る

 そして52分、驚愕のプレーで日本の守備網は切り裂かれる。桂がGK谷晃生へバックパス。谷のキックが前向きのMFママドゥ・サマケにダイレクトに渡ると、そのままドリブルを開始。「相手のファーストタッチがでかかったので、奪いに行こうと思った」と福岡が反応して飛び込んだ瞬間、サマケは長い足を伸ばして、ワンタッチで福岡の股の間にボールを通すと、一気に加速して置き去りにした。
 
 福岡の後ろには監物拓歩と菅原由勢のCB2枚がいたが、食いついてしまった2人をさらに置き去りにしてGKと1対1に。谷も前に出てボールに先に触ろうとするが、またしてもサマケの長い足が伸びて、ゴールに押し込まれてしまった。
 
「あのシーンは信じられなかった」と福岡が語るように、1人の選手に中央をいとも簡単にこじ開けられての失点は、チームに大きなショックを与えた。
 
 直後の56分には、中央でMFシビリ・ケイタがボールを持つと、ワンツーからスピードに乗ってアタッキングエリアに侵入。それに対し、菅原が身体を寄せて、ケイタのシュートをブロックするが、前にこぼれたボールを桂とFWハジ・ドラメが競り合った瞬間、ケイタがさらに加速して、ボールがこぼれた瞬間を強烈に叩いた。ボールはゴール左隅に一直線に突き刺さり、またしても中央をこじ開けられる形で、逆転ゴールを許した。
 
 結局、日本は後半、シュートを1本しか打たせてもらえず、1-2の敗戦。マリが日本に残したインパクトは、あまりにも強烈で、同時に自分たちの甘さを教えてくれた。
 
「マリはやはりU-17ワールドカップで準優勝するようなチームだった。ものすごい迫力で、あの足の長さとスピードを駆使して、ガンガンボールを奪いに来る。それに対して、普段は相手が引いて待ってくれていたり、じっくり判断する時間を与えてくれる。
 
 でも、これだけ時間を与えてくれないなかで、ちょっと判断やコントロールをミスしたら、その瞬間に身体をぶつけられて、相手ボールになってしまう。だからこそのちょっとしたポジショニングやコントロールの質、パススピードも緩かったら足で搔さらわれるし、今日のように風が強ければ、ボールも食われる。
 
 思うようにいかない環境、相手にこそ、サッカーIQの高さが問われる。自分で相手や状況を観察して、打開策を見出そうとする。そういう選手じゃないと、世界ではとうてい戦えない」(森山監督)
 
【関連記事】
【U-16日本代表】宮代、久保ら逸材揃いのなかで森山監督を「逞しくなった」と唸らせたストライカー
同年代のライバル・宮代、久保には負けられない――。プリンス関東で早くも3得点の三菱養和のルーキー・中村敬斗が見据える高み
【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』 其の六十三「久保建英でも成功は難しかった!?……海外における日本人未成年の致命的弱点」
凄い年下・久保建英とU-16代表のサバイバル。FC東京U-18の1年生MF・平川怜が受ける成長への刺激
【総体】男子組み合わせ決定/市立船橋の初戦は秋田商。3連覇を狙う東福岡は2回戦からの登場

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ