自らのシュートでPKを獲得。「譲る気はなかった」と、周りに目で“俺が蹴る”と伝える。

FCソウル戦では6人目のキッカーとして重責を果たした。しかし、5人目で蹴ると主張しておけば……という後悔があった。神戸戦のPKは、その悔しさに踏ん切りをつける一撃にもなった。写真:徳原隆元
すでに梅崎に第二子が誕生したことはクラブから公式に発表されており、スタジアムに訪れていたサポーターも知っていた。興梠が34分に先制ゴールを決めた際、この日、“一回目”の揺りかごダンスがチームメイトから梅崎に向けられて贈られ、ベンチで見守った梅崎も目を細めて喜んでいた。
今度は背番号7の背中を、サポーターの大きな拍手が後押しする。
とはいえ梅崎に与えられたタスクは、慎重を期するものだった。浦和が2-1と1点しかリードしておらず、基本的には守備に軸足を置いて、隙あらば3点目を狙いに行くという役割だ。3点目はほしい、しかし失点だけは与えてはならないという状況だ。
最近カウンターから失点を喫していることを考えると、無理はできない。だが、プレーが小さくなってしまっては、梅崎らしさを欠いてしまう。
それでもプレーに迷いはなかった。身体を張って守り、行ける時は思い切って突き進む――。梅崎は右サイドを疾走し、一つひとつのプレーをこなす。
迎えた85分、敵陣の左サイドで得たFKのチャンス。柏木はややマイナスにグラウンダーのパスを放つ。そこにいた梅崎が強烈なミドルシュートを放つと、対峙した選手の腕にあたる。主審は笛を吹きペナルティアークを差す――PKを宣告したのだ。
すぐに梅崎はボールを持ち、「譲る気はなかった」と周りに“自分が蹴る”と目で訴えた(VTRを見ると、怖いぐらいの表情をしていた)。自分が試合を決めるんだ、という気持ちを前面に押し出す。
その気持ちこそが、まず大切なのではないか。そう実感したのが、アジア・チャンピオンズリーグでのアウェーのFCソウル戦でのPK戦だったという。梅崎は6人目のキッカーを務めていた。
「FCソウル戦で、5人目以内に蹴らなかったことを後悔していたんです(編集部注:決めていれば浦和が勝っていた5人目のキッカーを、GKの西川が務めていた)。だから、今度そういった瞬間が来たら、絶対に自分が蹴ってみせると言い聞かせていました。でも、やはり蹴る時は緊張しましたが(笑)」
もちろんいくら『決めたい』と言っても、チームの役割を無視してまでとは思っていなかった。そのなかでワンプレーを出すことができました」
加えて、会場全体の雰囲気が、このPKは梅崎に――という雰囲気で包まれていた。あと1点決めていればハットトリックを達成していた興梠も、「いやいや、蹴らしてほしいだなんて、これっぽっちも思わなかった。ハットトリックするならば、誰かが得たPKではなく、しっかり自分の形で決めますよ。梅ちゃが蹴るべきでした」と語っていた。
今度は背番号7の背中を、サポーターの大きな拍手が後押しする。
とはいえ梅崎に与えられたタスクは、慎重を期するものだった。浦和が2-1と1点しかリードしておらず、基本的には守備に軸足を置いて、隙あらば3点目を狙いに行くという役割だ。3点目はほしい、しかし失点だけは与えてはならないという状況だ。
最近カウンターから失点を喫していることを考えると、無理はできない。だが、プレーが小さくなってしまっては、梅崎らしさを欠いてしまう。
それでもプレーに迷いはなかった。身体を張って守り、行ける時は思い切って突き進む――。梅崎は右サイドを疾走し、一つひとつのプレーをこなす。
迎えた85分、敵陣の左サイドで得たFKのチャンス。柏木はややマイナスにグラウンダーのパスを放つ。そこにいた梅崎が強烈なミドルシュートを放つと、対峙した選手の腕にあたる。主審は笛を吹きペナルティアークを差す――PKを宣告したのだ。
すぐに梅崎はボールを持ち、「譲る気はなかった」と周りに“自分が蹴る”と目で訴えた(VTRを見ると、怖いぐらいの表情をしていた)。自分が試合を決めるんだ、という気持ちを前面に押し出す。
その気持ちこそが、まず大切なのではないか。そう実感したのが、アジア・チャンピオンズリーグでのアウェーのFCソウル戦でのPK戦だったという。梅崎は6人目のキッカーを務めていた。
「FCソウル戦で、5人目以内に蹴らなかったことを後悔していたんです(編集部注:決めていれば浦和が勝っていた5人目のキッカーを、GKの西川が務めていた)。だから、今度そういった瞬間が来たら、絶対に自分が蹴ってみせると言い聞かせていました。でも、やはり蹴る時は緊張しましたが(笑)」
もちろんいくら『決めたい』と言っても、チームの役割を無視してまでとは思っていなかった。そのなかでワンプレーを出すことができました」
加えて、会場全体の雰囲気が、このPKは梅崎に――という雰囲気で包まれていた。あと1点決めていればハットトリックを達成していた興梠も、「いやいや、蹴らしてほしいだなんて、これっぽっちも思わなかった。ハットトリックするならば、誰かが得たPKではなく、しっかり自分の形で決めますよ。梅ちゃが蹴るべきでした」と語っていた。