意識してきた“逆を取る”
改めて楠神にとって、自身のサッカーで最も重視してきたことはなんだったのか。
「相手の逆を取るということは、ずっと小さい頃から意識してきました。相手が考えていないところにボールを止めたり、ファーストタッチで前を向くとか、そういう部分ですね。そこで周りとの違いを生み出さないと自分は生き残っていけないと思っていましたから。
正直言うと、観ている人たちを楽しませたいなんて考えたことはないんです。そんな余裕はなく、自分は相手を上回ろうと必死にやっていただけなので。でも自分が相手の逆を取る姿が観ている人たちにとっては面白かったのかなと。
ただ相手の逆を取ってかわした瞬間はめちゃくちゃ楽しいですし、気持ち良さはありました。大事なのは、相手を怖がらないこと。それは昔からずっと教えてもらってきたこと。『怖がるんだったらネットの向こうに相手がいるスポーツをやれ』『相手は自分を引き立てるために来てくれているんだから絶対怖がるな。逆にありがたく思わなあかん』みたいなことはずっと言われてきましたね。
それはセゾンFCの監督らに教えてもらいました。『誰も奪いに来ずにドリブルして点取るなんて別に何も凄くないだろう』と。『相手がいるからそのドリブルとシュートが光るんだから相手を絶対に怖がるな』と」
その考えを後進に伝えようという想いはないのか。
「俺は飲み屋で喋っているぐらいがちょうど良いんですよ。性格的に教えるのは得意じゃなさそうなので。タイミングがあればアドバイスするくらいが良いかなと」
「相手の逆を取るということは、ずっと小さい頃から意識してきました。相手が考えていないところにボールを止めたり、ファーストタッチで前を向くとか、そういう部分ですね。そこで周りとの違いを生み出さないと自分は生き残っていけないと思っていましたから。
正直言うと、観ている人たちを楽しませたいなんて考えたことはないんです。そんな余裕はなく、自分は相手を上回ろうと必死にやっていただけなので。でも自分が相手の逆を取る姿が観ている人たちにとっては面白かったのかなと。
ただ相手の逆を取ってかわした瞬間はめちゃくちゃ楽しいですし、気持ち良さはありました。大事なのは、相手を怖がらないこと。それは昔からずっと教えてもらってきたこと。『怖がるんだったらネットの向こうに相手がいるスポーツをやれ』『相手は自分を引き立てるために来てくれているんだから絶対怖がるな。逆にありがたく思わなあかん』みたいなことはずっと言われてきましたね。
それはセゾンFCの監督らに教えてもらいました。『誰も奪いに来ずにドリブルして点取るなんて別に何も凄くないだろう』と。『相手がいるからそのドリブルとシュートが光るんだから相手を絶対に怖がるな』と」
その考えを後進に伝えようという想いはないのか。
「俺は飲み屋で喋っているぐらいがちょうど良いんですよ。性格的に教えるのは得意じゃなさそうなので。タイミングがあればアドバイスするくらいが良いかなと」
いかにも楠神らしい。では、改めて今は天野春果氏の下でプロモーション部の副部長として働くなか、今後の夢はどういったものなのか。
「すごく元気な人の下にいるので(笑)。付いていくのに必死ですよ。天野さんの行動力やイベント力は本当にすごいですし、一番声を出しますからね。これをゆくゆくは俺がやっていくんかと…。
(プロモーション部の仕事は)面白いですよ。サポーターの方々と触れ合い、その反応が分かりますし、こういうことしたらスタジアムに来てくれるんだなと勉強になります。喜んでもらえるアイデアを天野さんの下で学ばせてもらっています。この5年営業などもやってきましたが、パソコンはまだまだ苦手。でも本当に楽しくやらせてもらっています。
クラブの可能性はめちゃくちゃ感じています。東京23区でスタジアムができるっていうのは凄いですし、『キャプテン翼』というアイコンもあり、葛飾っていう土地柄は情に厚い。一度応援してもらえると熱くなってもらえる。そういう人たちを巻き込んでJリーグに参入できれば、すごいことが起こるんじゃないかって感じています。
街は川崎とどこか似ている印象はありますし、街中が南葛の話題で溢れるような、週末にチームの勝ち負けが話題のひとつになれば、嬉しいですね。ファミリー層、おじいちゃん、おばあちゃん、小さい子どもも多いですし、天野さんがいつも言っているように、誰もが楽しめるスタジアム作りたいとも考えています。僕も5歳と3歳の子どもがいますが、週末どうしようとなった時に、気軽に遊びに行けるような場所にできたら良いですよね。
個人的な目標? とりあえず今のところは南葛にJリーグに上がってもらい、その試合を新小岩に建つ専用スタジアムのVIP席で座って見たいですね(笑)。でもプロモーション部だと、実際にはスタジアムの前で拡声器で喋っていて、試合は見られないんだろうな(笑)。天野さんが立っているのに、俺が座っているわけにいかないので(笑)。自分が第2の天野さんになるのは無理。性格が違いますから。でも自分は自分なりにクラブを盛り上げたいですね」
飄々と、それでもコミュニケーション能力の高い楠神にとって、プロモーション部の仕事は新たな天職なのかもしれない。意外性に富み、遊び心満載のプレーでかつて天才とも称された男の第2の人生は、現役時代以上に多くの人に笑顔を届けそうだ。
(全2回/このシリーズ了)
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
■南葛SCの今後のスケジュール こちら
https://www.nankatsu-sc.com/match-result
「すごく元気な人の下にいるので(笑)。付いていくのに必死ですよ。天野さんの行動力やイベント力は本当にすごいですし、一番声を出しますからね。これをゆくゆくは俺がやっていくんかと…。
(プロモーション部の仕事は)面白いですよ。サポーターの方々と触れ合い、その反応が分かりますし、こういうことしたらスタジアムに来てくれるんだなと勉強になります。喜んでもらえるアイデアを天野さんの下で学ばせてもらっています。この5年営業などもやってきましたが、パソコンはまだまだ苦手。でも本当に楽しくやらせてもらっています。
クラブの可能性はめちゃくちゃ感じています。東京23区でスタジアムができるっていうのは凄いですし、『キャプテン翼』というアイコンもあり、葛飾っていう土地柄は情に厚い。一度応援してもらえると熱くなってもらえる。そういう人たちを巻き込んでJリーグに参入できれば、すごいことが起こるんじゃないかって感じています。
街は川崎とどこか似ている印象はありますし、街中が南葛の話題で溢れるような、週末にチームの勝ち負けが話題のひとつになれば、嬉しいですね。ファミリー層、おじいちゃん、おばあちゃん、小さい子どもも多いですし、天野さんがいつも言っているように、誰もが楽しめるスタジアム作りたいとも考えています。僕も5歳と3歳の子どもがいますが、週末どうしようとなった時に、気軽に遊びに行けるような場所にできたら良いですよね。
個人的な目標? とりあえず今のところは南葛にJリーグに上がってもらい、その試合を新小岩に建つ専用スタジアムのVIP席で座って見たいですね(笑)。でもプロモーション部だと、実際にはスタジアムの前で拡声器で喋っていて、試合は見られないんだろうな(笑)。天野さんが立っているのに、俺が座っているわけにいかないので(笑)。自分が第2の天野さんになるのは無理。性格が違いますから。でも自分は自分なりにクラブを盛り上げたいですね」
飄々と、それでもコミュニケーション能力の高い楠神にとって、プロモーション部の仕事は新たな天職なのかもしれない。意外性に富み、遊び心満載のプレーでかつて天才とも称された男の第2の人生は、現役時代以上に多くの人に笑顔を届けそうだ。
(全2回/このシリーズ了)
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
■南葛SCの今後のスケジュール こちら
https://www.nankatsu-sc.com/match-result