その“術”の中心にいるのが、絶対的な精神的支柱の小笠原だ。
理想を言えば、「最初から最後まで、自分たちの狙いとしたサッカーができるように」ということになる。しかし、サッカーは相手のあるスポーツであり、そういつも自分たちの思いどおりに行くわけではない。
「今日の試合も、勢いを持って入りたかった」
実際はそうはいかなかったが、自分たちのリズムでなくても、簡単には崩されない「“術”を持っているのがこのチームの良さ」だからだ。
「上手くいかないなりにも、みんなでピッチの中で話をして、勝機を見出して、また自分たちのペースにできるっていうのは、このチームの強さだと思う」
その“術”の中心にいるのが、小笠原だ。福岡戦では、開始早々、自分たちのパスミスから危ない場面を招いた。5分を過ぎたあたりだろうか、腕章を巻く背番号40は、「落ち着け!」と言わんばかりに両手を上下させて、チーム全体に声をかけていた。
「立ち上がりに上手くいかなくても、ズルズルいくんじゃなくて、やり方を変えてみたりとか、そういう時にどうしなければいけないかを、このチームはもっと覚える必要がある。それができるようになれば、もっとタイトルを積み重ねられると思う」
今さら記すまでもないが、小笠原は鹿島の絶対的な精神的支柱である。「チームをコントロールするのが自分の役割」と言う男は、責任感や自覚をさらに強くしている。
2年前には中田浩二が引退した。今季は本山雅志が北九州に移籍。そして、今回の福岡戦を最後に、鹿島ひと筋16年目の青木剛が鳥栖に新天地を求める。
同世代の仲間が次々とチームを離れていくなか、「俺に圧し掛かってくるものは多くなりますけど」と、気持ちをさらに引き締めているのは間違いない。
福岡との第1ステージ最終節はホームで迎えた。ステージ制覇を見届けようと、3万人以上が足を運んだカシマスタジアムのピッチの上で、小笠原はこんなことを考えていた。
「3万人も入ってくれて、いいもんだなと思いました。だけど、満員になった時はもっと迫力があるし、それは選手の力にもなって、見に来てくれた人たちが、『また見たい』と思ってもらえるような、すごく良い雰囲気にもなる」
すぐ始まる第2ステージに向け、その先のチャンピオンシップ、そして7年ぶりの年間チャンピオンを見据えて、小笠原は誓う。
「僕らはそういう(満員の)応援をしてもらえるに値するチームになっていかなければいけない。そのためには、もっと勝ち続けて、満員のカシマスタジアムで、また勝利を届けられたらと思います」
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
「今日の試合も、勢いを持って入りたかった」
実際はそうはいかなかったが、自分たちのリズムでなくても、簡単には崩されない「“術”を持っているのがこのチームの良さ」だからだ。
「上手くいかないなりにも、みんなでピッチの中で話をして、勝機を見出して、また自分たちのペースにできるっていうのは、このチームの強さだと思う」
その“術”の中心にいるのが、小笠原だ。福岡戦では、開始早々、自分たちのパスミスから危ない場面を招いた。5分を過ぎたあたりだろうか、腕章を巻く背番号40は、「落ち着け!」と言わんばかりに両手を上下させて、チーム全体に声をかけていた。
「立ち上がりに上手くいかなくても、ズルズルいくんじゃなくて、やり方を変えてみたりとか、そういう時にどうしなければいけないかを、このチームはもっと覚える必要がある。それができるようになれば、もっとタイトルを積み重ねられると思う」
今さら記すまでもないが、小笠原は鹿島の絶対的な精神的支柱である。「チームをコントロールするのが自分の役割」と言う男は、責任感や自覚をさらに強くしている。
2年前には中田浩二が引退した。今季は本山雅志が北九州に移籍。そして、今回の福岡戦を最後に、鹿島ひと筋16年目の青木剛が鳥栖に新天地を求める。
同世代の仲間が次々とチームを離れていくなか、「俺に圧し掛かってくるものは多くなりますけど」と、気持ちをさらに引き締めているのは間違いない。
福岡との第1ステージ最終節はホームで迎えた。ステージ制覇を見届けようと、3万人以上が足を運んだカシマスタジアムのピッチの上で、小笠原はこんなことを考えていた。
「3万人も入ってくれて、いいもんだなと思いました。だけど、満員になった時はもっと迫力があるし、それは選手の力にもなって、見に来てくれた人たちが、『また見たい』と思ってもらえるような、すごく良い雰囲気にもなる」
すぐ始まる第2ステージに向け、その先のチャンピオンシップ、そして7年ぶりの年間チャンピオンを見据えて、小笠原は誓う。
「僕らはそういう(満員の)応援をしてもらえるに値するチームになっていかなければいけない。そのためには、もっと勝ち続けて、満員のカシマスタジアムで、また勝利を届けられたらと思います」
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

6月23日発売号のサッカーダイジェストの特集は、J1全18クラブの補強&改善計画書。今季前半戦の戦いぶりを振り返りつつ、第2ステージに向けた強化ポイントを探ってみました。インタビューでは、大宮の家長選手、柏の中村選手が登場。クラブダイジェストでは、熊本を取り上げています。