1回でも驚きのドラマを、3試合連続で演じてみせた!

「ミラクル・トルコ」と呼ばれたチームの快進撃に、国内ではライバルクラブのサポーター同士が抱擁して勝利を祝うという、普段ではあり得ない光景が見られという。写真は準々決勝の同点場面。 (C) Getty Images
EURO2008、トルコの準々決勝までの道のりは、何ともドラマチックなものだった。
ポルトガルとのグループステージ初戦を0-2で落とした後のスイス戦、トルコは先制を許し、後半途中に追い付く。そしてアディショナルタイムの2分、アルダ・トゥランのシュートが、相手のパトリック・ミュラーの踵に当たってゴールネットに突き刺さった。
これで決勝トーナメント進出に望みを繋いだトルコは、チェコとの最終節を迎える。ここでも先制され、62分にはリードを2点に奪われる。しかしここから、トルコの反撃は始まり、まず75分にアルダがゴール。そして残りわずかのところで、ドラマは始まった。
87分、相手GKペトル・チェフの信じられないキャッチミスをニハト・カフベチが押し込んで同点。さらにその2分後、ハミト・アルティントップのスルーパスを受けて、再びニハトが豪快なシュートを突き刺したのだった。
2戦連続で劇的な勝利を収め、勢い付く彼らは6月20日、準々決勝でクロアチアとの対戦を迎える。
試合は終始、クロアチアのペース。何度もゴールに迫ってくる相手に対し、トルコはGKルストゥ・レチュベルら守備陣の奮闘が目立ち、延長戦に持ち込んだ。
ここでトルコは攻勢に転じ、強引な突破から幾度も好機を得るが、ゴールを割ることはできず、逆に119分、ルカ・モドリッチの機転の利いたクロスからイバン・クラスニッチの先制ヘッドを許してしまう。
さすがのトルコも、今回ばかりはもう終わりだろう。誰もがそう思っただろうが、ルストゥのロングボールが、三たび、信じられないドラマを生み出す。DFと競り合ったセミフ・シェンテュルクの足元にボールが落ち、彼のシュートは奇跡の同点弾となった。
トルコは歓喜に沸き、勝利を確信していたクロアチアは崩れ落ちる。この精神状態は、この後のPK戦に大きく影響し、クロアチアは4人中3人が失敗。一方、後攻のトルコは3人全員が決めて、準決勝進出を果たした。
準決勝では、ドイツ相手にまたしても、残り4分で追い付くという粘りを見せたトルコだが、逆に90分にフィリップ・ラームの決勝ゴールを許し、快進撃は終わりを告げた。
初の決勝進出を果たせなかった悔しさは残るも、2002年日韓W杯(3位)以来の偉業を、劇的な試合の連続の末に成し遂げ、選手たちは満足感と充実感が窺えた。そしてそんな彼らを、自国民はもちろん、世界中が称賛したのは言うまでもない。
◎6月20日に行なわれた過去のEUROの試合
◇1964年スペイン大会
3位決定戦
ハンガリー 3(延長)1 デンマーク
◇1976年ユーゴスラビア大会
決勝
チェコスロバキア 2(5PK3)2 西ドイツ
◇1984年フランス大会
グループステージ
スペイン 1-0 ドイツ
ポルトガル 1-0 ルーマニア
◇2000年ベルギー・オランダ大会
グループステージ
ルーマニア 3-2 イングランド
ポルトガル 3-2 ドイツ
◇2004年ポルトガル大会
グループステージ
ロシア 2-1 ギリシャ
ポルトガル 1-0 スペイン
◇2008年オーストリア・スイス大会
準々決勝
トルコ 1(3PK1)1 クロアチア
※日付は全て現地時間
ポルトガルとのグループステージ初戦を0-2で落とした後のスイス戦、トルコは先制を許し、後半途中に追い付く。そしてアディショナルタイムの2分、アルダ・トゥランのシュートが、相手のパトリック・ミュラーの踵に当たってゴールネットに突き刺さった。
これで決勝トーナメント進出に望みを繋いだトルコは、チェコとの最終節を迎える。ここでも先制され、62分にはリードを2点に奪われる。しかしここから、トルコの反撃は始まり、まず75分にアルダがゴール。そして残りわずかのところで、ドラマは始まった。
87分、相手GKペトル・チェフの信じられないキャッチミスをニハト・カフベチが押し込んで同点。さらにその2分後、ハミト・アルティントップのスルーパスを受けて、再びニハトが豪快なシュートを突き刺したのだった。
2戦連続で劇的な勝利を収め、勢い付く彼らは6月20日、準々決勝でクロアチアとの対戦を迎える。
試合は終始、クロアチアのペース。何度もゴールに迫ってくる相手に対し、トルコはGKルストゥ・レチュベルら守備陣の奮闘が目立ち、延長戦に持ち込んだ。
ここでトルコは攻勢に転じ、強引な突破から幾度も好機を得るが、ゴールを割ることはできず、逆に119分、ルカ・モドリッチの機転の利いたクロスからイバン・クラスニッチの先制ヘッドを許してしまう。
さすがのトルコも、今回ばかりはもう終わりだろう。誰もがそう思っただろうが、ルストゥのロングボールが、三たび、信じられないドラマを生み出す。DFと競り合ったセミフ・シェンテュルクの足元にボールが落ち、彼のシュートは奇跡の同点弾となった。
トルコは歓喜に沸き、勝利を確信していたクロアチアは崩れ落ちる。この精神状態は、この後のPK戦に大きく影響し、クロアチアは4人中3人が失敗。一方、後攻のトルコは3人全員が決めて、準決勝進出を果たした。
準決勝では、ドイツ相手にまたしても、残り4分で追い付くという粘りを見せたトルコだが、逆に90分にフィリップ・ラームの決勝ゴールを許し、快進撃は終わりを告げた。
初の決勝進出を果たせなかった悔しさは残るも、2002年日韓W杯(3位)以来の偉業を、劇的な試合の連続の末に成し遂げ、選手たちは満足感と充実感が窺えた。そしてそんな彼らを、自国民はもちろん、世界中が称賛したのは言うまでもない。
◎6月20日に行なわれた過去のEUROの試合
◇1964年スペイン大会
3位決定戦
ハンガリー 3(延長)1 デンマーク
◇1976年ユーゴスラビア大会
決勝
チェコスロバキア 2(5PK3)2 西ドイツ
◇1984年フランス大会
グループステージ
スペイン 1-0 ドイツ
ポルトガル 1-0 ルーマニア
◇2000年ベルギー・オランダ大会
グループステージ
ルーマニア 3-2 イングランド
ポルトガル 3-2 ドイツ
◇2004年ポルトガル大会
グループステージ
ロシア 2-1 ギリシャ
ポルトガル 1-0 スペイン
◇2008年オーストリア・スイス大会
準々決勝
トルコ 1(3PK1)1 クロアチア
※日付は全て現地時間