【現地記者の英国通信】過去の主要大会とは違うイングランド国内の穏やかな楽観主義

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2016年06月18日

ほぼ毎試合プレミアリーグの選手が登場する楽しみ。

開幕戦、そして第2戦のアルバニア戦でも大活躍を見せたフランスのパイエは、プレミアリーグのウェストハムに所属。今大会には、実に103人ものプレミアリーグの選手が出場している。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 そして、プレミアリーグで活躍する選手が大勢、登場するのもファンにとっては楽しみだ。実に103人もの選手が今大会でプレーする。つまりほぼ毎試合、プレミアの選手が誰かしら出場するということだ。例えばフランス対ルーマニアのオープニング・ゲームでは、アーセナル(オリビエ・ジルー)とウェストハム(ディミトリ・パイエ)の選手がゴールを決めた。パイエのゴールは実に素晴らしかった。なんといっても彼は、私が愛するウェストハムの選手だからね……少なくとも今のところは。
 
 さらに、チャンピオンシップ(イングランド2部)からも31人の選手が大会に出場する。これは全リーグで7番目の数字であり、リーガ・エスパニョーラより3人少ないだけで、フランスのリーグアンより9人多い。このことも、イングランドのフットボールファンにとって祝福すべきことだ。
 
 というわけで、イングランドの最初のゲームに合わせて、多くの家庭がそれぞれの自宅の庭でバーベキューをする手はずを整えた。私の友人はある家のパーティーに招かれたが、そこではイギリス製の食べ物やビールしか持ち込めなかったという。もちろん理由はイングランド代表がプレーするからだ! もちろん、いかにもイングランドらしく、試合開始2時間前になって雨が降り始めたというオチがついたのだが。
 
 ビジネス関係者もEUROを待ち望んでいた。試合を見るため、人々がいつもよりもパブで長い時間を過ごすからだ。
 
 今回の大会を楽しみにしていない人たちがいるとすれば、救急隊員だけだろう。酒の飲み過ぎで起きる騒動や緊急事態に対処しなければいけないのだから!
 
 イングランドとロシアの試合は引き分けだったが、パニックを起こすような人はいなかった。選手たちは健闘したし、先ほども言ったように今のイングランドは穏やかな楽観主義に包まれているからだ。
 
 とにかく、大会を楽しもう!

文:スティーブ・マッケンジー

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。

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