停滞するミランの身売り交渉とチーム編成。本田圭佑は揺れる名門に残るべきなのか?

カテゴリ:海外日本人

弓削高志

2016年06月17日

迷走する名門の10番であり続ける選択は、リスクが高い。

トップ下の補強候補としてコバチッチ(写真)やバスケスの名が挙がっているという。(C)Getty Images

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 補強を司るガッリアーニ副会長は、国際トーナメント目白押しの今夏、活発化する移籍市場ですでにいくつかの動きを見せ始めている。
 
 本田の天職であるはずのトップ下には、獲得候補としてMFコバチッチ(レアル・マドリー)とMFバスケス(パレルモ)の名前が挙がっている。ユベントスやローマらとの争奪戦は免れず、獲得資金を捻出するには、本田を含む飽和状態の攻撃陣から誰かを放出するしかない。
 
 エースFWバッカには、セビージャ時代の恩師エメリが新監督へ就任濃厚なパリSGから引き抜きの声があり、若手FWニアングにはエバートンが強い関心を示している。
 
 上記のふたりの去就如何を問わず、本田の放出は、ミランにとって今夏市場での資金捻出のための有効な手段であることは覚えておくべきだろう。
 
『SKY SPORT』の最近のインタビューに応えた本田のコメントも移籍説に拍車をかけている。
 
「ミランが来季も自分を必要としているか確実ではないし、自分自身も残ることに確信がない。来季、自分がどこでプレーしているか、今の段階で言うことはできない」
 
 今月6日に中国・蘇寧グループに売却の決まったライバルのインテルは、中国マネー投入を見越し、すでに着々とチーム改造と新クラブ構想を進めている。一方で、ミランは未だ正式な監督も決まっておらず、誰が残るのかも不透明なままだ。

 今から奇跡的にクラブの身売り交渉が早急にまとまり、7月までの売却が決まったとしても、ミランのチーム作りの遅れは確定的だ。なにを目標にイタリアでの4シーズン目を戦えばいいのか、本田自身が戸惑う部分も少なからず出てくるだろう。
 
 残留か、新天地を模索か。
 来季のミランには、あまりにも不確かなことが多すぎる。迷走する名門の10番であり続ける選択は、リスクが高いと言わざるをえないだろう。

文:弓削高志(スポーツライター)
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