すべてはC・ロナウド次第――。アイスランド戦で再確認されたポルトガルの特異性

カテゴリ:国際大会

白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

2016年06月15日

そのパフォーマンスはチームメイトにも大きな影響を与える。

ロスタイムには2本連続で直接FKのチャンスを得るも、いずれも壁に弾かれた。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 試合後、メジャートーナメント初出場の格下アイスランドからゴールを奪えなかったことが、よっぽど悔しかったのだろう。足早に引き上げようとする。一旦はスタッフにたしなめられ、サポーターの待つゴール裏に向かったが、挨拶もそこそこに再び入退場ゲートに向かって歩きはじめ、誰よりも早くロッカールームに消えていった。
 
 両チーム最多だった11本のシュートの内訳は、枠内が2、枠外が3、ブロックが6。身体のキレはCL決勝時よりも上向いているように見えたが、まだコンディション的には7割程度といった印象だ。ブロックを食らった6本のうち、絶好調時なら半分の3本は枠内シュートになっていただろう。そして、その決定力を考えれば、2、3点取っていても不思議はない。
 
 中盤にアンドレ・ゴメスやレナト・サンチェスなどの若手が育っているとはいえ、ポルトガルの絶対的な柱はC・ロナウドであり、そのパフォーマンスに上位進出の全てが懸かっていると言っても過言ではない。
 
 ポルトガルの勝率は、C・ロナウドが好調なら上がるし、不調なら下がる。得点力という側面はもちろん、絶対的エースの出来はチームに与えるメンタル的な影響も計り知れない。フェルナンド・サントス監督は「マドリーにおけるロナウドよりも、ポルトガル代表におけるロナウドのほうが、計り知れないくらい重要な存在」と公言して憚らないほどだ。
 
 すべてはC・ロナウド次第――。圧倒的有利と言われながらドローに終わったアイスランド戦で、ポルトガルの特異性は再び証明された。
 
 ポルトガルの次節は6月18日のオーストリア戦。はたして、C・ロナウドはどこまでコンディションを上げられるか――。括目に値する。
 
現地取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)
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