すべてはC・ロナウド次第――。アイスランド戦で再確認されたポルトガルの特異性

カテゴリ:国際大会

白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

2016年06月15日

「最後はいつもこの男がヒーロー」になるという期待感が広がるも…。

いつものように積極的にシュートを放ったアイスランド戦のC・ロナウド。しかし、ゴールを奪えず天を仰いだ。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 EURO2016最大のスターが登場したのは、大会5日目の6月14日。サンテティエンヌのジョフロウ・ギシャールに、クリスチアーノ・ロナウドは降り立った。
 
 年間50得点を5年連続で達成し、レアル・マドリーではチャンピオンズ・リーグを制したことで今年は自身4度目のFIFAバロンドールも視野に捉えているメガスター。4月にハムストリングを痛め、5月28日のCL決勝でも精彩を欠いたC・ロナウドのコンディションとパフォーマンスこそが、ポルトガル対アイスランド戦の最大の焦点だった。
 
 スタメン発表時はもちろん一番の声援を浴びる。キャプテンとして先頭で入場し、ピッチに入る時にいつものように両腿を上げる。そして、国歌斉唱のあとに微笑を浮かべた。好き嫌いが分かれるタイプなのは百も承知だし、どうでもいいことだが、双眼鏡でどアップで見たその顔はやっぱりイケメンだ。世界中の女性が虜になるのも頷ける。
 
 奇しくもこの日は、子供の頃に憧れた偉大なる先人ルイス・フィーゴが持つポルトガル代表の歴代最多キャップ(127試合)に並んだメモリアルゲーム。すでにトップに躍り出ている同得点記録(58ゴール)更新に向けて、より一層の気合いが入っていたかもしれない。
 
 ポジションは4-1-3-2の最前線。1分、いきなりカウンターでボールを受け、ナニにパスするも失敗した。レアル・マドリーのようにほぼ左に張るのではなく、攻撃のフリーマンとして前線を幅広く動き回る。12分のファーストシュートは、後方から敵に引っ掛けられた。しかし、21分には左サイドでボールを受けると、巧みな足技で相手DFを翻弄し、右足で完璧なクロスを供給する。ただ、ナニのヘディングシュートは相手GKのスーパーセーブに阻まれて、アシストにはならなかった。
 
 C・ロナウドはその後も23分にヘディング、25分に縦パスに反応してのボレーでゴールを狙うも不発。それでもポルトガルは31分、アンドレ・ゴメスのクロスをナニが詰めて先制に成功した。
 
 後半も積極的にゴールを狙い、48分にはこぼれ球に反応して左足ボレーを狙うもブロックされる。すると直後の50分、ポルトガルは一瞬の隙を突かれてアイスランドのビルキル・ビャルナソンにゴールネットを揺らされ、1-1のタイスコアになった。
 
 こうなるとスタジアムのポルトガル・サポーターは、俄然、C・ロナウドの得点を期待する。それに応えるかのうように57分には左足ミドル、62分には直接FK。しかし、ゴールネットは揺れない。そして、84分にはこの日一番のビッグチャンス。右サイドからナニが挙げたクロスにフリーでヘディング! しかし、ボールはGKの正面だった。
 
 ロスタイム突入後には再び直接FKのチャンス。約40メートルの位置から放った1本目は壁に入った相手の手に当たってハンドになり、10メートル先から2本目。「今度こそ決める」、「最後はいつもこの男がヒーロー」になるという期待感が、スタジアム全体に広がる。
 
 しかし、右足から放たれたボールは再び壁に弾かれる。同時に、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

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