今のイタリアにはカンナバーロもピルロもバッジョもいないが…。
試合巧者という意味では、イタリアはベルギーの一枚どころか二枚も三枚も上手だった。危険なカウンターを食らいそうになれば、躊躇なくファウルで止めた。しかも、レッドカードではなくイエローカードで済むようなゾーンで、まるで倒す気がなかったかのような素振りを見せる。実際、イエローカードを4枚食らったが、レッドカードは0枚だった。
ゴールキックも、スローインも、選手交代も、たっぷり時間をかけた。ベルギーの選手、スタッフ、ファンは誰もがイライラしたに違いない。記者席の後ろにいたベルギー・サポーターは、イタリアがそんな振る舞いを見るたびに、大声で怒りを露わにしていた。
相手の攻撃を耐え凌いで弾き返し、少ないチャンスを一瞬でモノにし、勝利を掴み取る――。そんな古き良きカルチョの伝統と美学を、この日のアッズーリは完璧に体現していた。
32分のエマヌエレ・ジャッケリーニの先制点は、CBレオナルド・ボヌッチからの1本のタッチダウンパスから生まれた。93分の止めの2点目は、カウンターからグラツィアーノ・ペッレがハーフボレーを叩き込んだ。いずれもカルチョのお家芸のようなゴールである。
アッズーリを応援するすべての人たちが「これぞイタリア!」と叫んだ勝利に、試合後のアントニオ・コンテ監督はしてやったりにこう語った。
「しっかり準備ができたし、その通りに戦うことができた。ベルギーはとても強力な優勝候補のひとつだが、選手たちは苦しくても耐えてくれた。彼らにはこういう結果を得る資格があるね。本物の男たちだ」
いまのイタリアには、ファビオ・カンナバーロやアレッサンドロ・ネスタのような独力で敵を封じる世界最高峰のCBも、アンドレア・ピルロのような試合を完璧に支配するレジスタも、ロベルト・バッジョやフランチェスコ・トッティのような華麗なファンタジスタも、クリスティアン・ヴィエリやルカ・ト―ニのような破壊的なCFもいない。
しかし、カルチョの伝統と美学を全身に宿した、誇り高き“本物の男”たちがいる。
現地取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)
【PHOTO】アッズーリが魂の守備でベルギーを封殺!
ゴールキックも、スローインも、選手交代も、たっぷり時間をかけた。ベルギーの選手、スタッフ、ファンは誰もがイライラしたに違いない。記者席の後ろにいたベルギー・サポーターは、イタリアがそんな振る舞いを見るたびに、大声で怒りを露わにしていた。
相手の攻撃を耐え凌いで弾き返し、少ないチャンスを一瞬でモノにし、勝利を掴み取る――。そんな古き良きカルチョの伝統と美学を、この日のアッズーリは完璧に体現していた。
32分のエマヌエレ・ジャッケリーニの先制点は、CBレオナルド・ボヌッチからの1本のタッチダウンパスから生まれた。93分の止めの2点目は、カウンターからグラツィアーノ・ペッレがハーフボレーを叩き込んだ。いずれもカルチョのお家芸のようなゴールである。
アッズーリを応援するすべての人たちが「これぞイタリア!」と叫んだ勝利に、試合後のアントニオ・コンテ監督はしてやったりにこう語った。
「しっかり準備ができたし、その通りに戦うことができた。ベルギーはとても強力な優勝候補のひとつだが、選手たちは苦しくても耐えてくれた。彼らにはこういう結果を得る資格があるね。本物の男たちだ」
いまのイタリアには、ファビオ・カンナバーロやアレッサンドロ・ネスタのような独力で敵を封じる世界最高峰のCBも、アンドレア・ピルロのような試合を完璧に支配するレジスタも、ロベルト・バッジョやフランチェスコ・トッティのような華麗なファンタジスタも、クリスティアン・ヴィエリやルカ・ト―ニのような破壊的なCFもいない。
しかし、カルチョの伝統と美学を全身に宿した、誇り高き“本物の男”たちがいる。
現地取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)
【PHOTO】アッズーリが魂の守備でベルギーを封殺!