高校ラストイヤーのテーマは“ぶっちぎる”。サウサンプトン加入内定の高岡伶颯は「日本一」と「20ゴール」を目標に掲げて最後の大舞台へ【インタビュー後編】
カテゴリ:高校・ユース・その他
2024年12月28日
予選決勝では3人抜きのスーパーゴール
与えられた期間は2週間。限られた時間のなかでアピールする必要があった。日本で味わったことがないほどの素晴らしい環境で、綺麗に整ったクラブハウスも、何面もあるピッチも全てが輝いて見え、高岡の野心をくすぐった。
正直に言えば、この2週間でどれだけアピールできたか分からない。フィジカル面でも競り負け、ピッチ外でもコミュニケーション面を含めて戸惑いもあった。
「日本だったら言葉も通じるけど、海外は言語の問題もありました」と苦笑いを浮かべた一方で、それ以上に高岡はこの2週間で海外移籍に気持ちを強くした。
「本当に後悔しない選択をするのであれば、辛いことを乗り越えていかないといけない」
新たな刺激を受けた高岡のもとにサウサンプトンからオファーが届いたのは6月の半ば。家族はもちろん、チームメイトで苦楽をともにしてきたMF南創太(3年/仙台加入内定)に相談した。そして、交流があった同じく九州出身のFW福田師王(ボルシアMG)にも話を聞いたという。
「師王君も高卒で海外に行って、厳しい環境に身を置いている選手。話を聞いて響くものがあったし、師王君は『後悔しない選択をしたほうがいい』と言ってくれた。話をした時はまだオファーが来ていないタイミングだったけど、『話があったら行けよ』と背中を押してくれたのは、本当に嬉しかった。師王君は自分の経験から『行けるなら行け』という言葉をかけてくれたんだと思います」
正直に言えば、この2週間でどれだけアピールできたか分からない。フィジカル面でも競り負け、ピッチ外でもコミュニケーション面を含めて戸惑いもあった。
「日本だったら言葉も通じるけど、海外は言語の問題もありました」と苦笑いを浮かべた一方で、それ以上に高岡はこの2週間で海外移籍に気持ちを強くした。
「本当に後悔しない選択をするのであれば、辛いことを乗り越えていかないといけない」
新たな刺激を受けた高岡のもとにサウサンプトンからオファーが届いたのは6月の半ば。家族はもちろん、チームメイトで苦楽をともにしてきたMF南創太(3年/仙台加入内定)に相談した。そして、交流があった同じく九州出身のFW福田師王(ボルシアMG)にも話を聞いたという。
「師王君も高卒で海外に行って、厳しい環境に身を置いている選手。話を聞いて響くものがあったし、師王君は『後悔しない選択をしたほうがいい』と言ってくれた。話をした時はまだオファーが来ていないタイミングだったけど、『話があったら行けよ』と背中を押してくれたのは、本当に嬉しかった。師王君は自分の経験から『行けるなら行け』という言葉をかけてくれたんだと思います」
覚悟を決めた高岡は高卒で海を渡る決意をし、残された高校生活でさらなる成長を目ざして肉体改造にも取り組んだ。しかし――。インターハイが始まる1か月前。高岡は負傷してしまう。6月29日に行なわれたU-18高円宮杯プリンスリーグ九州1部の福岡U-18戦。飛び込んできたGKを外した際に左膝を捻ってしまい、全治3か月と診断された。
その影響でインターハイは精神的支柱として登録メンバーに入りながら、一度もピッチに立てずに終わった。チームも3回戦で敗退。怪我の回復は進まず、9月半ばにあったU-19日本代表のU-20アジアカップ予選にも参加できなかった。
もどかしい日々を過ごしたが、それでも焦らずに今できることに取り組んだ。リハビリ中はサウサンプトンのOBで元日本代表の吉田麻也(LAギャラクシー)と言葉を交わす機会もあり、そうした日々を経て、9月下旬のリーグ戦で復帰。戦列に戻ってからは圧倒的なプレーで相手を凌駕し、得点を再び量産。選手権予選決勝では3人抜きのスーパーゴールを決め、チームを再び全国大会に導いた。
残された舞台は選手権だけ。組み合わせ抽選会で高岡は目標として、チームの日本一と20ゴールという数字を掲げた。決してできないことを言ったわけではない。「プレッシャーを力に変えて、去年とは一味違うところを見せたい。目標として絶対20点取ります」。力強く宣言したストライカーの挑戦は始まったばかり。昨年の悔しさも力に変え、新たな歴史を作り出す。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
【記事】超高校級ストライカー高岡伶颯の昔と今。名和田我空の存在も刺激に、いかにして道を切り拓いてきたのか【インタビュー前編】
【記事】開幕迫る! サウサンプトン入団内定の点取り屋や“大迫勇也2世”など、今大会の注目プレーヤーを一挙紹介!~FW編【選手権】
その影響でインターハイは精神的支柱として登録メンバーに入りながら、一度もピッチに立てずに終わった。チームも3回戦で敗退。怪我の回復は進まず、9月半ばにあったU-19日本代表のU-20アジアカップ予選にも参加できなかった。
もどかしい日々を過ごしたが、それでも焦らずに今できることに取り組んだ。リハビリ中はサウサンプトンのOBで元日本代表の吉田麻也(LAギャラクシー)と言葉を交わす機会もあり、そうした日々を経て、9月下旬のリーグ戦で復帰。戦列に戻ってからは圧倒的なプレーで相手を凌駕し、得点を再び量産。選手権予選決勝では3人抜きのスーパーゴールを決め、チームを再び全国大会に導いた。
残された舞台は選手権だけ。組み合わせ抽選会で高岡は目標として、チームの日本一と20ゴールという数字を掲げた。決してできないことを言ったわけではない。「プレッシャーを力に変えて、去年とは一味違うところを見せたい。目標として絶対20点取ります」。力強く宣言したストライカーの挑戦は始まったばかり。昨年の悔しさも力に変え、新たな歴史を作り出す。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
【記事】超高校級ストライカー高岡伶颯の昔と今。名和田我空の存在も刺激に、いかにして道を切り拓いてきたのか【インタビュー前編】
【記事】開幕迫る! サウサンプトン入団内定の点取り屋や“大迫勇也2世”など、今大会の注目プレーヤーを一挙紹介!~FW編【選手権】