4戦連発の金崎夢生。“罰金”を言い渡された後輩・鈴木は「あの人に近づきたい」

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2016年06月12日

オフサイドぎりぎりで飛び出し、柴崎のクロスを右足でねじ込む。

先制点のシーン。カウンターが発動されると、長い距離を走ってエリア内に侵入。相手DFとの駆け引きを制し、訪れたビッグチャンスを確実に決めてみせた(33番が金崎)。(C)SOCCER DIGEST

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 決めるべきチャンスを決められない――金崎は浦和にとって脅威となる存在ではあったが、ある意味、決定力不足を指摘されてもおかしくない内容だった。
 
 しかし、金崎はこのまま終わる男ではなかった。
 
 52分、相手のパスミスを拾ったカイオがキープすると、その前を左に膨れるようにダイアゴナルに駆け上がる。カイオはそのまま中央をドリブルで突き進み、右サイドを走る柴崎岳にパスを出す。
 
 このタイミングで、金崎は走るスピードをグンと上げて、エリア内に侵入。目の前には浦和DFがいるが、柴崎からクロスが入った瞬間、オフサイドラインぎりぎりで飛び出し、身体ごと押し込むように右足で合わせて豪快にネットを揺らした。
 
 欠場した13節・名古屋戦を挟み、11節・磐田戦から数えて、これで出場した試合は4戦連発を達成。通算8ゴールとして、得点ランクは名古屋のシモビッチと並んで3位タイ。代えの利かないエースとして、背番号33は間違いなく、ステージ制覇に向けて突き進むチームの原動力となっている。
 
 攻撃面で頼りになるだけでなく、高い位置からの精力的な走りで相手のビルドアップに圧力をかければ、献身的なプレスバックでボール奪取を成功させるなど、守備面での貢献度も見逃すことができない。
 
 常に全力疾走で、アグレッシブにプレーに絡む。守備も決して手を抜かない。普段のトレーニングでは、例えばゲーム形式の練習では、ひときわ大きな声を出して雰囲気を盛り上げるし、本番さらながらの真剣さで味方に指示を出す。
 
 そんな姿を間近で見ている鈴木が、影響を受けないわけがない。必死に勝利を目指して戦い、結果も出している金崎が、若手選手を刺激し、彼らの成長を促す。
 
 改めて言うまでもないが、優勝を目指すうえではもちろん、鹿島にとって金崎夢生というストライカーは、様々な面で欠かすことができない存在である。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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