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【イタリア人監督の日本評|後編】強豪との真剣勝負で、どこまでやれるか?例えば相手がイタリアなら2-1、3-2は有り得るが…

カテゴリ:日本代表

ロベルト・ロッシ

2016年06月08日

「可能性」と「限界」はどちらも、ザッケローニ監督時代から大きくは変わっていない。

ザッケローニ監督時代と同じ課題を抱えているのは、「決してネガティブなことではない」とロッシ氏は言う。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 とはいえ決定機はそれなりに作り出せるはずであり、それを高い確率で決めることができれば、例えばイタリア相手に2-1、3-2といったスコアでの勝利は、同じようなスコアで敗れるのと同じくらいの確率で起こり得ると思う。
 
 現時点でもチームとしての完成度は十分に高い。ここからさらに実力を上積みする余地があるとすれば、まずはすでに見たようにアウェーでもホームと同じ積極的かつ攻撃的なメンタリティを貫いて戦うことができるようになること、そしてなにより個のクオリティを上積みすることだろう。

 もしこの日本に、ヨーロッパの4大リーグで15~20得点を保証できるストライカー(例えばケインやベンゼマのような)、そしてオープンスペースでの1対1でも相手のストライカーを止められるスピードとフィジカル能力を備えたCB(例えばボアテングやヴァランヌのような)がいれば、世界のトップ10に入っても不思議ではない。
 
 そうやって考えてみると、チームとしての「可能性」と「限界」はどちらも、ザッケローニ監督時代から大きくは変わっていないということになる。しかしこれは決してネガティブなことではない。この日本代表には、日本のサッカーが現時点で持っているクオリティとポテンシャルが最大限に近い形で表現されていると言うことができるからだ。
 
 ここからさらに上、ワールドカップで8強を狙えるようなチームになるためには、圧倒的な個の力が必要不可欠だ。本田、香川、岡崎を上回るアタッカー、吉田、森重を上回るディフェンダーの出現が待たれるところだ。もちろんそれは一朝一夕に実現できることではないが……。
<前編『これほどオーガナイズされた代表チームは世界でも少ない』では、戦術面の長所・短所を徹底分析>

取材・文:片野道郎
 
プロフィール
ロベルト・ロッシ/現役時代はチェゼーナの育成部門でサッキに、ヴェネツィアでザッケローニに師事。引退後はインテルなどでザッケローニのスタッフを務め、その後監督として独り立ち。昨夏からロマーニャ・チェントロ(イタリア4部)を率いる。『WORLD SOCCER DIGEST』誌では、「カルチャトーレ解体新書」などで現役監督ならではの分析記事を寄稿している。
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