学びに必要な“縦・横・算数”
岩政氏にとっての好きな考え方も盛り込まれている。
「僕の好きな方が書かれていたんですが、学びって何かっていうと、“縦・横・算数”だと。なるほどなと思ったんです。
縦っていうのは歴史ですね。昔から学ぶこと。横っていうのは、海外だったり別の業界から学ぶこと。そして算数っていうのはデータ、客観的なデータから学ぶこと。
そうすると縦は、これまでの指導者の方の話や、僕が所属していた鹿島の成功の歴史などを紐解けば学べます。一方で横ですよね。ヨーロッパのサッカーから学びますという指導者の方はたくさんいますが、他の業界から学ぶ人は結構限られていると感じるんです。
それが抜け落ちてしまい、サッカーって狭い世界での成功例だけを語っていると、僕はあまり腑に落ちなかったりするものが、ビジネス業界でもマネジメントをこういう風にやったら上手くいきましたみたいな話につながると、確信を持てるわけです。それを持てるかが僕は凄く重要な気がしています。
昔のもので、優れたものもたくさんあります。ただ、昔の成功例や、成功したサッカーの現場、ロッカールーム、練習風景も学びになりますが、今のこの時代の今の自分のチームには、ちょっと当てはまらないんじゃないかって考え始めた時に、別の業界からの話がぽんって入ってくると、多角的に自分のやり方を決められる。これがすごく大事だなと思っているんです」
それは岩政氏自身も今だからこそつながる部分があるという。
「僕もちょうど鹿島で1年半監督をやって、ハノイで半年やって、その前のコーチ時代含めれば指導者として8年過ごしましたが、だいぶ色んなものが1巡したと言いますか、中・高・大、社会人、プロのカテゴリーと、大体一周して、トライアンドエラーでやってきたものが、だいぶ溜まってきました。
それこそプロの監督をやった時に、上手くいかなかった瞬間って色々あるわけですけど、それを踏まえたうえで今回別の業界の話がぽんっと入ってきた部分があったんです。
例えば僕はどちらかと言えば教育者魂から、選手たちに寄り添いたいタイプなんです。でも、プロの世界って色々厳しさがあり、それこそ30人ほどの選手がいるなかで11人しか試合に出られないわけで、そこにプラスした4、5人、トータルで15、16人が大体ひとつのスカッドになります。そこに加えて、たまに出場機会を掴む選手が何人かいて、あとの10人ぐらいはなかなかピッチに立てない現実があるわけですね。
ヨーロッパの監督さんなど指導者によっては、まず試合で起用する選手を考えるべきみたいなことを結構言われるんです。でも、僕はあんまりそれをやりたくないし、自分のなかで腑に落ちない。僕は基本的に1人ひとりに手厚く寄り添いたいんです。
でも、確かに鹿島で1年半、監督をやった時に、ひとつ勝ちきれなかったのは、甘さがチームの中に少しまん延したなという気がしていて、その甘さが自分の寄り添うマネジメントによって生まれたのであれば、それは良くないなと思っているんです。
ただ、色んな具体的なやり方はまた別として大枠で言うと、今回、ビジネス業界の方々と話してから、マネジメント的には間違った方向ではなかったとより考えられるようになったんです。
鹿島で勝ちきれなくて、ハノイでやって、次日本でやる時には少し方法を変えようかなと考えていた部分があったのですが、それは寄り添い方の問題だと思ったんです。
改めて時代も、特色も変わっているなかで、『こうやらなければ使わないよ』という手法では、今の人はついてこない。年功序列で選手がひとつのクラブに長年いた時代は昔で、今は20代前半でどんどんヨーロッパへ行くわけですよね。そうすると個々の目的も変わり、クラブのためにサッカー人生捧げますって考え方は薄まっている部分がある。そういう選手たちをひとつの方向に向かわせ、まとめなきゃいけない。それは世の中も同じように変わってきているよなと確認もできたわけです。サッカー業界の人と話しているだけでは、多分この思考に至れなかったとは思うんです。
そうすると会社に勤めている方々も同じだとは思うのですが、Z世代と言われるような子たちとも付き合っていくなかで、今までのやり方みたいなものを受け継いでやろうとすると恐らく時代遅れになってしまう。その意味で考え方をキャッチアップするためにも、業界を跨いで学ぶのは、やっぱり良いよなと感じているわけです」
「僕の好きな方が書かれていたんですが、学びって何かっていうと、“縦・横・算数”だと。なるほどなと思ったんです。
縦っていうのは歴史ですね。昔から学ぶこと。横っていうのは、海外だったり別の業界から学ぶこと。そして算数っていうのはデータ、客観的なデータから学ぶこと。
そうすると縦は、これまでの指導者の方の話や、僕が所属していた鹿島の成功の歴史などを紐解けば学べます。一方で横ですよね。ヨーロッパのサッカーから学びますという指導者の方はたくさんいますが、他の業界から学ぶ人は結構限られていると感じるんです。
それが抜け落ちてしまい、サッカーって狭い世界での成功例だけを語っていると、僕はあまり腑に落ちなかったりするものが、ビジネス業界でもマネジメントをこういう風にやったら上手くいきましたみたいな話につながると、確信を持てるわけです。それを持てるかが僕は凄く重要な気がしています。
昔のもので、優れたものもたくさんあります。ただ、昔の成功例や、成功したサッカーの現場、ロッカールーム、練習風景も学びになりますが、今のこの時代の今の自分のチームには、ちょっと当てはまらないんじゃないかって考え始めた時に、別の業界からの話がぽんって入ってくると、多角的に自分のやり方を決められる。これがすごく大事だなと思っているんです」
それは岩政氏自身も今だからこそつながる部分があるという。
「僕もちょうど鹿島で1年半監督をやって、ハノイで半年やって、その前のコーチ時代含めれば指導者として8年過ごしましたが、だいぶ色んなものが1巡したと言いますか、中・高・大、社会人、プロのカテゴリーと、大体一周して、トライアンドエラーでやってきたものが、だいぶ溜まってきました。
それこそプロの監督をやった時に、上手くいかなかった瞬間って色々あるわけですけど、それを踏まえたうえで今回別の業界の話がぽんっと入ってきた部分があったんです。
例えば僕はどちらかと言えば教育者魂から、選手たちに寄り添いたいタイプなんです。でも、プロの世界って色々厳しさがあり、それこそ30人ほどの選手がいるなかで11人しか試合に出られないわけで、そこにプラスした4、5人、トータルで15、16人が大体ひとつのスカッドになります。そこに加えて、たまに出場機会を掴む選手が何人かいて、あとの10人ぐらいはなかなかピッチに立てない現実があるわけですね。
ヨーロッパの監督さんなど指導者によっては、まず試合で起用する選手を考えるべきみたいなことを結構言われるんです。でも、僕はあんまりそれをやりたくないし、自分のなかで腑に落ちない。僕は基本的に1人ひとりに手厚く寄り添いたいんです。
でも、確かに鹿島で1年半、監督をやった時に、ひとつ勝ちきれなかったのは、甘さがチームの中に少しまん延したなという気がしていて、その甘さが自分の寄り添うマネジメントによって生まれたのであれば、それは良くないなと思っているんです。
ただ、色んな具体的なやり方はまた別として大枠で言うと、今回、ビジネス業界の方々と話してから、マネジメント的には間違った方向ではなかったとより考えられるようになったんです。
鹿島で勝ちきれなくて、ハノイでやって、次日本でやる時には少し方法を変えようかなと考えていた部分があったのですが、それは寄り添い方の問題だと思ったんです。
改めて時代も、特色も変わっているなかで、『こうやらなければ使わないよ』という手法では、今の人はついてこない。年功序列で選手がひとつのクラブに長年いた時代は昔で、今は20代前半でどんどんヨーロッパへ行くわけですよね。そうすると個々の目的も変わり、クラブのためにサッカー人生捧げますって考え方は薄まっている部分がある。そういう選手たちをひとつの方向に向かわせ、まとめなきゃいけない。それは世の中も同じように変わってきているよなと確認もできたわけです。サッカー業界の人と話しているだけでは、多分この思考に至れなかったとは思うんです。
そうすると会社に勤めている方々も同じだとは思うのですが、Z世代と言われるような子たちとも付き合っていくなかで、今までのやり方みたいなものを受け継いでやろうとすると恐らく時代遅れになってしまう。その意味で考え方をキャッチアップするためにも、業界を跨いで学ぶのは、やっぱり良いよなと感じているわけです」
だからこそ、こうも願っている。
「皆さん学びに行きたいけど、どこに行けば良いのか、どうすれば良いのか難しいと感じているのではないでしょうか。そういう方々が、ここに参加していただいて、押しつけるようなアカデミーではないので、僕がビジネス界の方々と話している姿を、自身に置き換えていただき、自分らしいマネジメントを見つけてもらえるような有意義な内容になっているはずです」
現在、指導者として悩んでいる人、または会社に属し、先輩、後輩、同僚らとの付き合い方に悩んでいる人は少なくないだろう。そうした人たちにとって、得られるものが多い場と言えるに違いない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
■「チームビルディングアカデミー」
詳細はこちら
https://lp.team-building-ac.com
「皆さん学びに行きたいけど、どこに行けば良いのか、どうすれば良いのか難しいと感じているのではないでしょうか。そういう方々が、ここに参加していただいて、押しつけるようなアカデミーではないので、僕がビジネス界の方々と話している姿を、自身に置き換えていただき、自分らしいマネジメントを見つけてもらえるような有意義な内容になっているはずです」
現在、指導者として悩んでいる人、または会社に属し、先輩、後輩、同僚らとの付き合い方に悩んでいる人は少なくないだろう。そうした人たちにとって、得られるものが多い場と言えるに違いない。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
■「チームビルディングアカデミー」
詳細はこちら
https://lp.team-building-ac.com