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サッカーとビジネスの化学反応? 岩政大樹と考えるマネジメント術。会社、指導現場にも通じる理想的な“チーム”の作り方とは

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本田健介(サッカーダイジェスト)

2024年10月30日

サッカーと通じることの多かったビジネス書

多くの学びがあるというビジネス界の人たちとの対話。岩政氏もアップデートを繰り返しているという。(C)SOCCER DIGEST

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 サッカーとビジネス。

 一件、関係の薄いように映るふたつの世界をつなぎ、参加者とともに学んでいこうとスタートしたプラットフォームがある。

 その名も「チームビルディングアカデミー」。学長を務めるのは、1年半、鹿島を率い、先日まではベトナムのハノイFCで魅力的なサッカーを披露して現地を沸かせた岩政大樹氏である。

 岩政氏が選手、監督としてサッカー界で培ってきた経験値と、ビジネス界で生きる著名人らとの対話などを通じて、現代社会を生きていく上でのヒントを探ろうという講座であり、例えば30人近いサッカーチームをマネジメントする術と、会社において組織を率いるうえでの方法は、類似点が多いのではないか、という考えなどがベースにある。

 それこそ「スポーツのチームビルディングからビジネスマネジメントを学び若手を活躍させる力を備える」との理念を掲げ、「役割」「経験差」「導く」を理念実現のために身につけるべきキーワードとし、習得に必要な独自的且つ専門的なカリキュラムを動画コンテンツを通じて発信していくというのだ。

 もっとも“アカデミー”と銘打たれているが、中身はイメージとは異なるようだ。岩政氏は語る。

「そもそもですが、アカデミーっていう名前は付いていますが、僕は本を書く時なども、誰かに何かを教えたい、誰かに何かを伝えたいっていう発想はないんです。そう考えるなんておこがましいと思っていますし、僕が60歳、70歳くらいになり、色んな経験を積み、色んなことが分かりましたっていう人間だったら良いんですけど、大前提として僕はそういうものをまだ持ち合わせていない。だからこれをやった方がいいよ、これをやるべきだよ、と伝えるつもりはないんです」

 ではなぜ、今回の講座が立ち上げたのか。それは自らが多くのビジネス界の人々と会い、学び、その姿を見てもらうことで、多くの気付きが生まれるのではないかと考えたからだという。

「自分は珍しい経験をさせてもらっている身だとは感じていて、指導者という業界の中でも40歳から鹿島という日本のトップクラスのクラブで監督をやらせてもらい、41歳で東南アジアのクラブへ行き、プレーヤーからマネージャーに移行していく過程を比較的早く経験させてもらったと思っています。

 その中で自分に見えてきたもの、自分が感じてきたものは、当然経験しないと分からないものばかりで、それを発信することで、皆さんがどう受け取り、どう活用していくか、それは皆さんの感じ方次第ですが、自分の中だけに閉じ込めておく必要はないという考えが大前提としてありました。

 そして、その中で何を発信するのかという部分で、僕は指導者として8年ほどを過ごし、プロクラブを率いたのは2年だけですが、プレーヤーからマネージャーに移行する期間はすごく悩みが多く、そこで見えてきたもの、試行錯誤の中で得られたものは、色んな人に届きやすいのではないかとも感じました。そのなかで今回のようなビジネスとスポーツを掛け合わせていくことが、考え方の整理につながるのではないかと考えました。僕が勉強し、学ぶ姿を見せることで、他の方も転用しやすいのかなと」
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 さらに背景には、ビジネスはサッカーと通じるとの気付きもあったという。

「僕は比較的、選手の時から本を読むのが好きで、選手時代は移動も多かったので本を読む時間もたくさんありました。ただ、ビジネスの本ってあまり手に取ったことがなくて。サッカーに結び付く感覚がなかったんです。正直言うと今もビジネス業界自体にはあまり興味はないんです。

 ただコロナ禍で自宅での時間が長かった際、せっかくだから自分が読んだことのない分野の本読んでみようと思ったんです。すると僕の妻が上司に薦められた本が家に置いてあり、名著と呼ばれるその一冊を手に取ったのがきっかけだったわけですね。

 パラパラめくった時に、『いやこれサッカーと同じだ!!』と思ったんです。指導現場で、自分が一番に感じていたのは、伝え方でした。実は僕も元々プレーヤーとして、監督に『これをやれ』って言われた時に、『なんでやらなきゃいけないの?』って疑問に思うタイプで、日本代表に入るような選手って大体そうだったりするんです。僕はそれを否定思考と言ったり、一般的には疑問思考などと呼ばれる考え方ですね。

 選手は天邪鬼が多いので、言われたことをそのまま受け取らないような面があるんです。じゃあどういうふうに導けば、自分の考えている方向に進んでくれるのかっていう面は、ビジネス業界にも通じるところがあったんです。

 例えば高度経済成長期だったら、上司が言ったことに従った者が上に行くみたいなことが当たり前だった環境が、ビジネス界も今は変わっていますよね。僕が読んだ本は、昔に書かれた一冊でしたが、そういう風に変わっていくみたいなことがすでに書かれていたんです。

 そのための指針の見せ方なども色々細かく書いてあり、『なるほどな』の連続でした。『これサッカーもだよな』と納得できたんです。そこからですね、ビジネスのそういった本を探し始めて、今回にもつながったという形でした」

 一方で、岩政氏はこうも続ける。

「これをでもイチから、例えばサッカー指導者の人たちにビジネスの本ってすごく参考になると言っても、4年前までの僕のように、なかなか響きづらいと思うんです。そこには時間を費やしにくいし、労力もかかる。だからこそ、僕が気付いたものを発信することで、皆さんがかけるべきだった時間を割けるじゃないかという想いもあります。

 サッカー業界の指導者にとっても、ビジネス分野から転用すると『あ、そうか』と思えることがあるはずですし、ビジネス業界の方からしても、サッカーの世界から転用してもらえることがあると思うんです。

 だから僕がトップダウンで伝えるのではなく、僕がビジネス業界の方々と相互に話している姿を通じて、見てくださる方たちの『この部分はそうだな』『ここは違うな』みたいな考えにつながることができれば良いなと感じています

 だから本当に申し訳ないのですが、僕が教えるものはなくて、様々な方と会って『へえ、なるほど』と僕も学ぶことばかりなんです(笑)。でも見ていただければ得をできることばかりだと感じています」
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