Jクラブの大半は、人材を“搾取される側”
翻ってJリーグだ。23年度のクラブ経営情報開示によると、J1全18クラブの平均売上高はおよそ52億円。唯一100億円の大台に乗ったのが浦和レッズだが、平均値を超えたクラブも8つあり、資金力でリーグ内格差は生じていない。つまり飛び抜けて裕福なクラブがない分、飛び抜けて強いチームも生まれないのだ。
いわば総中産階級。「カネ」がなければ、「哲学」で道を切り開くしかない。それをやってのけたのが、ボール保持型のアタッキングフットボールを掲げてリーグを制した横浜と川崎だが、しかし強くなればその代償として「人」を失う。
年間収益額が1000億円超のマンCやR・マドリーといったメガクラブにはもちろん、欧州の中堅クラスにも運営規模で太刀打ちできない現状では、Jクラブは手塩にかけて育てたタレントが海外へ流出するのを、ただ指をくわえて眺めるしかない。
Jクラブの大半は、人材を“搾取される側”だ。とりわけ川崎は、三笘薫、守田英正、板倉滉、田中碧、谷口彰悟といった日本代表クラスを根こそぎ海外クラブに奪われた結果、競争力を著しく低下させてしまった。
いわば総中産階級。「カネ」がなければ、「哲学」で道を切り開くしかない。それをやってのけたのが、ボール保持型のアタッキングフットボールを掲げてリーグを制した横浜と川崎だが、しかし強くなればその代償として「人」を失う。
年間収益額が1000億円超のマンCやR・マドリーといったメガクラブにはもちろん、欧州の中堅クラスにも運営規模で太刀打ちできない現状では、Jクラブは手塩にかけて育てたタレントが海外へ流出するのを、ただ指をくわえて眺めるしかない。
Jクラブの大半は、人材を“搾取される側”だ。とりわけ川崎は、三笘薫、守田英正、板倉滉、田中碧、谷口彰悟といった日本代表クラスを根こそぎ海外クラブに奪われた結果、競争力を著しく低下させてしまった。
17年の就任以来、クラブにポゼッションスタイルを定着させ、7つのタイトルをもたらした功労者の鬼木達監督だが、これほど主力が流出しては理想のサッカーを体現するのも難しかっただろう。成績不振の責任を取って、今季限りで8年の長期政権に終止符を打つが、後任人事も含め、いかに鬼木監督の遺産を継承するかは、川崎のフロントに課された大きなテーマだろう。
横浜に関しては、優秀な指導者を相次いで失ったダメージが、強さの継承にストップをかけてしまった。アタッキングフットボールを植え付けたアンジェ・ポステコグルー(現・トッテナム)、それを進化させたケヴィン・マスカット(現・上海海港)がチームを去ると、今季同じオーストラリア人のキューウェルを招聘。しかし、監督経験の少なさはいかんともしがたく、チーム内に不協和音を招いた末に、わずか7か月で解任されている。
鹿島に至っては、「哲学」さえ曖昧になりつつある。この約4年半で監督交代が実に5回。今季から指揮を執ったランコ・ポポヴィッチ監督は、怪我人が多いなかでも少数精鋭のチームをなんとか上位にとどめてきたが、それでも10月上旬に解任の憂き目を見ている。
これでは明確なスタイルなど根付くはずもない。「献身、誠実、尊重」を掲げたジーコ・スピリッツの継承とともに、ピッチ上でも壁にぶつかった時に立ち返られるような“鹿島スタイル”の構築が、今こそ必要なのではないか。
【画像】ゲームを華やかに彩るJクラブ“チアリーダー”を一挙紹介!
横浜に関しては、優秀な指導者を相次いで失ったダメージが、強さの継承にストップをかけてしまった。アタッキングフットボールを植え付けたアンジェ・ポステコグルー(現・トッテナム)、それを進化させたケヴィン・マスカット(現・上海海港)がチームを去ると、今季同じオーストラリア人のキューウェルを招聘。しかし、監督経験の少なさはいかんともしがたく、チーム内に不協和音を招いた末に、わずか7か月で解任されている。
鹿島に至っては、「哲学」さえ曖昧になりつつある。この約4年半で監督交代が実に5回。今季から指揮を執ったランコ・ポポヴィッチ監督は、怪我人が多いなかでも少数精鋭のチームをなんとか上位にとどめてきたが、それでも10月上旬に解任の憂き目を見ている。
これでは明確なスタイルなど根付くはずもない。「献身、誠実、尊重」を掲げたジーコ・スピリッツの継承とともに、ピッチ上でも壁にぶつかった時に立ち返られるような“鹿島スタイル”の構築が、今こそ必要なのではないか。
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