「2枚槍」が攻撃のリズムを変えた
もっとも、違った見方をすれば、このオウンゴールによって、日本は今大会初めて追われる立場から追う立場になった。「引いて守る相手に対して、いかに点を奪うか?」といったテストができたとも言える。
0-1の状況を打開すべく、森保一監督が見せた采配が興味深かった。そして見事にハマった。
62分に堂安律から伊東純也、70分に南野拓実から中村敬斗、久保建英から鎌田大地を代えた。
なかでも左サイドの中村投入は有効だった。1人(三笘)でダメなら、2人(三笘・中村)で行こうとばかりに、三笘をシャドー、中村を左アウトサイドでプレーさせた。
ドリブラーを同サイドに配置する「2枚槍」の布陣は攻撃のリズムを変え、オーストラリアの守備陣を混乱させることに成功した。76分に左サイドをえぐった中村のクロスから相手のオウンゴールを誘発。所属クラブでの勢いそのままにピッチで躍動し、完全に流れを変えて同点弾を演出したのだから、マン・オブ・ザ・マッチは中村で決まりだ。
オーストラリアの守備陣からしたら、三笘のドリブルと中村のドリブルは、ボールを触るリズムも仕掛けるタイミングも違う。中村のコンディションの良さもあってか、相手はボールを取りづらそうだった。
オーストラリアの足が止まった終盤ということもあるが、右サイドも伊東のスピードが効いていた。引いた相手に対して攻撃のオプションはある。そのことを再確認できたのだから、この日のドローはポジティブに捉えていいだろう。
0-1の状況を打開すべく、森保一監督が見せた采配が興味深かった。そして見事にハマった。
62分に堂安律から伊東純也、70分に南野拓実から中村敬斗、久保建英から鎌田大地を代えた。
なかでも左サイドの中村投入は有効だった。1人(三笘)でダメなら、2人(三笘・中村)で行こうとばかりに、三笘をシャドー、中村を左アウトサイドでプレーさせた。
ドリブラーを同サイドに配置する「2枚槍」の布陣は攻撃のリズムを変え、オーストラリアの守備陣を混乱させることに成功した。76分に左サイドをえぐった中村のクロスから相手のオウンゴールを誘発。所属クラブでの勢いそのままにピッチで躍動し、完全に流れを変えて同点弾を演出したのだから、マン・オブ・ザ・マッチは中村で決まりだ。
オーストラリアの守備陣からしたら、三笘のドリブルと中村のドリブルは、ボールを触るリズムも仕掛けるタイミングも違う。中村のコンディションの良さもあってか、相手はボールを取りづらそうだった。
オーストラリアの足が止まった終盤ということもあるが、右サイドも伊東のスピードが効いていた。引いた相手に対して攻撃のオプションはある。そのことを再確認できたのだから、この日のドローはポジティブに捉えていいだろう。
チームとしての懸念点は、キャプテン遠藤の穴を埋められなかったことだ。
代役を務めた田中碧も決して悪くなかった。プレースタイルも遠藤とは違うから単純に比較はできないが、もう少し縦パスを入れてほしかったし、ボランチとしてのリスクマネジメントにも疑問符が付いた。
遠藤が出場していたら違った展開になっただろうが、田中も今シーズンにドイツ2部からイングランド2部へ移籍した。対人の激しいリーグに移ったことで、遠藤に変わりうる存在に成長してほしい。
当たり前のことだが、レギュラー陣からポジションを奪う選手が増えることは、チーム力の競争につながる。
現在、競争が激しいエリアは、先ほど触れたように三笘、伊東、堂安、中村がいる両サイドだ。シャドーを見ても、久保、南野、鎌田がひしめく。レギュラーになりえる最低条件は、欧州のトップリーグでプレーすること。そう考えると、最も手薄なポジションは1トップだ。言い換えれば、今の日本代表で代えの効かない選手は上田綺世となるが、上田不在の時、森保監督はどんな手を打つのか。
インドネシア、中国と対戦する11月シリーズのアウェー2連戦でも確実に勝点を積み重ねて、ワールドカップ本大会に向けて、さらなるオプション増加に着手してほしい。
代役を務めた田中碧も決して悪くなかった。プレースタイルも遠藤とは違うから単純に比較はできないが、もう少し縦パスを入れてほしかったし、ボランチとしてのリスクマネジメントにも疑問符が付いた。
遠藤が出場していたら違った展開になっただろうが、田中も今シーズンにドイツ2部からイングランド2部へ移籍した。対人の激しいリーグに移ったことで、遠藤に変わりうる存在に成長してほしい。
当たり前のことだが、レギュラー陣からポジションを奪う選手が増えることは、チーム力の競争につながる。
現在、競争が激しいエリアは、先ほど触れたように三笘、伊東、堂安、中村がいる両サイドだ。シャドーを見ても、久保、南野、鎌田がひしめく。レギュラーになりえる最低条件は、欧州のトップリーグでプレーすること。そう考えると、最も手薄なポジションは1トップだ。言い換えれば、今の日本代表で代えの効かない選手は上田綺世となるが、上田不在の時、森保監督はどんな手を打つのか。
インドネシア、中国と対戦する11月シリーズのアウェー2連戦でも確実に勝点を積み重ねて、ワールドカップ本大会に向けて、さらなるオプション増加に着手してほしい。