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[本田泰人の眼]谷口彰悟のオウンゴールに3つの疑問符。一方で初めて“追う立場”になってテストできたこともある

カテゴリ:日本代表

本田泰人

2024年10月18日

「2枚槍」が攻撃のリズムを変えた

田中は遠藤の穴を埋められたとは言えず。イングランドで研鑽を積んで、さらに成長していってほしい。(C)SOCCER DIGEST

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 もっとも、違った見方をすれば、このオウンゴールによって、日本は今大会初めて追われる立場から追う立場になった。「引いて守る相手に対して、いかに点を奪うか?」といったテストができたとも言える。

 0-1の状況を打開すべく、森保一監督が見せた采配が興味深かった。そして見事にハマった。

 62分に堂安律から伊東純也、70分に南野拓実から中村敬斗、久保建英から鎌田大地を代えた。

 なかでも左サイドの中村投入は有効だった。1人(三笘)でダメなら、2人(三笘・中村)で行こうとばかりに、三笘をシャドー、中村を左アウトサイドでプレーさせた。

 ドリブラーを同サイドに配置する「2枚槍」の布陣は攻撃のリズムを変え、オーストラリアの守備陣を混乱させることに成功した。76分に左サイドをえぐった中村のクロスから相手のオウンゴールを誘発。所属クラブでの勢いそのままにピッチで躍動し、完全に流れを変えて同点弾を演出したのだから、マン・オブ・ザ・マッチは中村で決まりだ。

 オーストラリアの守備陣からしたら、三笘のドリブルと中村のドリブルは、ボールを触るリズムも仕掛けるタイミングも違う。中村のコンディションの良さもあってか、相手はボールを取りづらそうだった。

 オーストラリアの足が止まった終盤ということもあるが、右サイドも伊東のスピードが効いていた。引いた相手に対して攻撃のオプションはある。そのことを再確認できたのだから、この日のドローはポジティブに捉えていいだろう。
 
 チームとしての懸念点は、キャプテン遠藤の穴を埋められなかったことだ。

 代役を務めた田中碧も決して悪くなかった。プレースタイルも遠藤とは違うから単純に比較はできないが、もう少し縦パスを入れてほしかったし、ボランチとしてのリスクマネジメントにも疑問符が付いた。

 遠藤が出場していたら違った展開になっただろうが、田中も今シーズンにドイツ2部からイングランド2部へ移籍した。対人の激しいリーグに移ったことで、遠藤に変わりうる存在に成長してほしい。

 当たり前のことだが、レギュラー陣からポジションを奪う選手が増えることは、チーム力の競争につながる。

 現在、競争が激しいエリアは、先ほど触れたように三笘、伊東、堂安、中村がいる両サイドだ。シャドーを見ても、久保、南野、鎌田がひしめく。レギュラーになりえる最低条件は、欧州のトップリーグでプレーすること。そう考えると、最も手薄なポジションは1トップだ。言い換えれば、今の日本代表で代えの効かない選手は上田綺世となるが、上田不在の時、森保監督はどんな手を打つのか。

 インドネシア、中国と対戦する11月シリーズのアウェー2連戦でも確実に勝点を積み重ねて、ワールドカップ本大会に向けて、さらなるオプション増加に着手してほしい。
 
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