【大宮】プロ2年目の初体験――高山和真は勝ちを逃した試合をどう受け止めたのか?

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年05月29日

「(J1のレベルを)肌で感じられた今日の90分間は自分のなかで大きい」

Jトップクラスの外国籍選手であるレアンドロとマッチアップ。何度もグラついたが、食らいついた経験は今後の糧になる。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 プロ2年目の高山にとって、この試合はJ1リーグ初出場の記念すべき一戦だった。しかもスタメン起用。それが暗転する展開となったのだ。悔しくないはずがない。ミックスゾーンでは、特に2失点目への言葉が次々に口を突いた。
 
「セットプレーのセカンドからでしたが、僕が遠慮せずにコーチングして、ボールホルダーに圧を掛けるべきだった。あの時間帯はラインが低くなっていました。相手の2トップ(レアンドロ、P・ジュニオール)は強力ですが、思い切ってラインを上げる、ふたりをオフサイドポジションに置く勇気を持てたら、違う結果になったと思う」
 
 同時に、それ以外のシーンでもっとやれたはずとの想いも抱えている。ポゼッション時のビルドアップは武器でもあるだけに、もう少し組み立てにおいて自分の色を出せたはずなのだ。足もとにボールが入った際にプレスを受けて、焦ってしまう場面は多々あった。フリーで持ち上がった後のパスももっと効果的に散らせたはずだ。
 
「もっともっとコウモさん(河本裕之)とかキクさん(菊地光将)を見て勉強しないといけない。でも、(J1のレベルを)肌で感じられた今日の90分間は自分のなかで大きい。そこを消化して、練習からもう一度チャレンジしていきたい」
 
 レアンドロとP・ジュニオールに何度も身体を当てて、何度もグラつき、何度かは転んだ。しかし、彼はこの7月でやっと成人する若手なのだ。大きな荷物を背負わせるには、様々な面でまだ線が細すぎる。そして若いからこそ、失敗しても強くなって起き上がるチャンスは多くある。
 
「怖がってやらないよりも、挑戦して失敗したほうがいい。でも、僕が一番周りに迷惑を掛けていましたからね。みんながサポートしてくれたから、楽にプレーできた。自分がみんなを支えられるようなCBになっていかないと、チームは強くならないと思っています」
 
 手応えと後悔の狭間で揺れる19歳。一つひとつのプレーを噛みくだいて吸収しようとする姿勢と、試合後に少しだけ精悍さを増した顔つきからは、今日の試合でコンビを組んだ山越康平とともに数年後の大宮の最終ラインで奮闘する姿を期待したくなる。
 
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

5月26日発売号のサッカーダイジェストは、オーバーエイジ特集。果たして、リオ五輪のオーバーエイジ候補は誰なのか? 本命、対抗、大穴で予想してみました。またU-23日本代表企画では「残り15枠を巡るサバイバル」に迫り、6月復帰予定の室屋選手(FC東京)にインタビュー取材。クラブダイジェストでは、J2で好調の札幌を取り上げています。

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