【大宮】プロ2年目の初体験――高山和真は勝ちを逃した試合をどう受け止めたのか?

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年05月29日

「(攻撃陣が)2点もプレゼントしてくれたのに、守り切れなかったのは悔しい」

プロ2年目でJ1初出場、しかもスタメン起用。貴重で濃密な90分間を過ごした。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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怖れることなく身体を張って、堂々とプレー。ただ、失点シーンも含めて反省点は多い。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 上位争いを繰り広げるなかで、勝ち星を落とした“もったいない試合”だったと言っていいだろう。12分に古巣相手に気持ちの入っていた奥井諒が、家長昭博のクロスにヘディングで合わせて幸先良く先制した。62分には右サイドで奥井から横谷繁へとつながり、折り返しを江坂任が右足ボレー。2-0となった。
 
 追加点の前後に守護神・加藤順大のビッグセーブがいくつかあり、電光掲示板に表示されている神戸側の得点は0のまま。流れからも、このまま完封勝利で勝点3を積み上げていてもおかしくはなかった。
 
 実際に「ホームでなにがなんでも勝つと1週間トレーニングを積んできた。我々のコントロール下でゲームは進んでいた」と渋谷洋樹監督も試合後の会見で話している。だが、それは「ラスト15分までは」(渋谷監督)という条件付きのものだった。
 
 77分にCKから小林に決められて1点差とされると、明らかな動揺がピッチ上に見て取れた。落ち着きを失いつつあったとも言えるし、1点を守るのか、3点目を奪いに行くのかの境界線でチームの意思統一ができていなかったとも言えるだろう。
 
 そんななかで、84分に魔の瞬間が生まれた。左サイドから神戸の藤田直之のロングスローがゴール前に放り込まれる。一旦はクリアするも、つながれて田中英雄の足もとにボールが入る。大宮の最終ラインのプッシュアップが遅い。加えて、ボールホルダーへのプレスも行なわれていない。
 
 簡単にゴール前へとクロスを供給される。高山和真が下がりながらその行方を目で追う。そして、自身の背後へと上手く入り込んだレアンドロが視界に入った。ドンピシャのタイミング。横っ飛びをしながら右手を伸ばした加藤順大の脇をボールがすり抜け、ネットを揺らされてしまった。
 
「(攻撃陣が)2点もプレゼントしてくれたのに、そのリードを守り切れなかった。セットプレーで失点した後に気持ち的にマイナスになってしまっている部分もあったので、そこを切り替えて、ラインを高く保てていれば……」(高山)
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