【ドイツ代表】ザネら“若手4人衆”はEURO行きの切符を勝ち取れるか

カテゴリ:国際大会

中野吉之伴

2016年05月20日

ドイツ・メディアの間では「ポドルスキ外し」を求める声も。

中盤だけでなく、CBやSBもこなすキンミッヒ。そのユーティリティー性は貴重な武器になりうる。(C)Getty Images

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 本大会に向けた大きな懸念が人材難のSBだ。「左」のレギュラーはケルンのヨナス・ヘクターだが、トップレベルの大会でどれだけ持ち味を発揮できるかは未知数。「右」はセバスチャン・ルディとエムレ・ジャンが交互に試されているものの、どちらも中盤が本職の選手だけに全幅の信頼は寄せられない。左はW杯のときと同様にベネディクト・ヘーベデス、右は本来CBながらSBもこなすアントニオ・リュディガーを起用する形が無難だろう。

 中盤センターに加え、両SBに対応するユーティリティーなキンミッヒは貴重な存在になりうる。同タイプのルディ、ジャンを蹴落としてフランス行きの切符を勝ち取れるか。

 最も層が厚い2列目はどのような顔ぶれになるだろうか。メスト・エジル、トーマス・ミュラー、マルコ・ロイスといった常連組は当確とみなしていい。残る不確定の2~3枠を巡って熾烈な争いが繰り広げられそうだ。

「“サプライズ”をもたらす選手は、戦術的な意味でも価値が高い。エネルギーを注入し、チーム全体を活性化させることができる」

 というレーブ監督のコメントを聞く限り、ブラントかザネのどちらかが選ばれそうだ。調子でいえばリーグ終盤に6試合連続ゴールを挙げたブラントが上だが、爆発力のあるザネのほうが驚きを提供する可能性は高い。すでにデビュー済みというメリットもある。

 ドイツ・メディアの間で賛否両論あるのがルーカス・ポドルスキの招集だ。たしかに左足の“一発”は大きな魅力だが、いまのドイツ代表にはそれ以外にもたくさんの武器を有している。将来を見据える意味でも、ポドルスキを外してブラントやザネを選ぶべきという意見もある。

 より一発が期待できるのは、マリオ・ゴメスだろう。ベジクタシュで26ゴールを挙げてトルコ・リーグの得点王に輝くなど、目下絶好調。この1~2年で純然たるCFを起用しようとしなかったレーブ監督も、無視できないほどの好パフォーマンスを見せている。

 個人的にはキンミッヒ、ブラント、ヴァイグル、ザネの4人にはメンバー入りを果たしてほしいと思っている。ただ、彼ら95~96年生まれの世代は8月のリオデジャネイロ五輪にも参戦するだけに、EUROに出場できるのは多くても2人だろう。

 ドイツ代表は5月24日からスイス合宿に入り、29日のスロバキアとのテストマッチを経て、31日に最終メンバーが発表される。どのような23人になるのか、興味が尽きない。

文:中野吉之伴

【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
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