【EL】“敗軍の将”クロップが見つめる未来――いつか再びファイナルへ!

カテゴリ:ワールド

河治良幸

2016年05月19日

2シーズン後、クロップの姿を欧州の舞台で見られるだろうか。

敗因に後半開始直後の失点を挙げ、「あれで自分たちのスタイルを見失った」と語ったが、相手のハンドが見逃されたことなどにもしっかり言及。責任転嫁はしないが、言うべきことは言うということか。 (C) Getty Images

画像を見る

 最初の失点は、セビージャのキックオフからそのまま決められてしまったもの。クロップ監督としては、ここから何らかのアクションをかけるべきだったかもしれないが、しばらく戦況を見守っていたところで2失点目を喫する。
 
 CBのロブレンが、中央を突破したガメイロを遅れ気味のハードタックルで止め、何とかピンチを脱してから7分ほど経った64分、ビトーロとバネガの細かいワンツーにロブレンは厳しく対応できず、再三にわたって好守を見せていたトゥーレも、ゴールを決めたコケを見逃してしまった。
 
 クロップ監督は69分、攻撃で全く存在感を消していたフィルミーノを下げ、オリギを投入してシステムを4-4-2に変更するが、まだ守備の確認ができていなかった1分後、自陣をカバーに行ったララーナが“絶好のパス”を出してしまい、再びコケに決められた。
 
 そこから明らかにプレーが混乱したララーナに代えてアレン、終盤にはトゥーレに代えて快速FWのベンテケを入れ、スターリッジをトップ下に置く超攻撃的な4-1-3-2に望みを託したが、3連覇に向けて守備の厳しさを増したセビージャの牙城を崩すことはできなかった。
 
 サポーターが、今シーズン最後の「You’ll never walk alone」をスタジアムに響かせるなか、クロップ監督は後ろに手を組み、顔を下に向けてかぶりを振りながら試合終了のホイッスルを聞いた。
 
 後半、明らかに疲労の色が窺えたのは確かだが、流れが向かなくなったことで選手たちに焦りや迷いが生まれたことも苦戦の要因になっていたはずだ。しかし、テクニカルエリアからは、なす術はなかった。
 
「残り44分間で反撃できたら良かったが、それができなかったのは残念」と語ったクロップ監督。ELを逃したことで、来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場がならなかっただけでなく、プレミアリーグを8位で終えたことにより、欧州への道が閉ざされた。
 
「これからも、決勝戦に辿り着けるように全力を尽くしたい」と、未来に向けて意気込むドイツ人指揮官を17-18シーズンに再び欧州の舞台で見られるか。その有無は来シーズン、国内のリーグとカップ戦で、リバプールがどれだけ奮起できるかにかかっている。
 
現地取材・文:河治 良幸
【関連記事】
【EL】コケ、殊勲の2得点! 苦労が報われた“気が利く”キャプテン
【EL決勝|採点&寸評】黒子からヒーローになったコケがMOM! 戦犯はコウチーニョだ
【プレミア現地コラム】ヴェンゲル体制はいつまで続くのか?
【連載】小宮良之の『日本サッカー兵法書』 其の七十一「勝利への近道、それは局面を制すること」
【15-16リーガ・エスパニョーラ】ベスト11を独自セレクト! リーガをリードした「3強」の選抜チームに
【移籍専門記者】ナポリのCBクリバリをバイエルン、チェルシー、マンUなどが争奪!
【15-16ブンデスリーガ】ベスト11を独自セレクト! 圧倒的な強さを見せたバイエルンがほぼ独占
【15-16プレミアリーグ】ベスト11を独自セレクト!レスターから最多5人を選出!
【15-16セリエA】順位、昇降格、得点ランキング……ユーベが5連覇を果たした「エポックメーキング」なシーズンを総まとめ!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ