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キューウェルと選手の間にできた溝の正体は? 距離の近い指導方法は一定の効果も、全体のオーガナイズは得意とせず、横浜特有の流動性は失われた

カテゴリ:Jリーグ

藤井雅彦

2024年07月18日

感情的になり、リスペクトを欠く発言も

『名選手、名監督にあらず』は結果論に過ぎない。キャスティングの過程も精査すべきだ。写真:滝川敏之

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 エクスキューズがあるとすれば、キューウェルが監督就任したのは今季の編成作業をほとんど終えてから。思い描いているシステムに当てはまる選手を揃えられていない。その点においては同情の余地も多分にあるが、現状の編成における最適解を見つけられずにもがき苦しむ指揮官。点と点を結んで線を描く作業は不得手で、局面を切り取っての指示が大半を占める。アタッキングフットボールというプレーモデルがありながら、組織として機能しなかった理由がそこにある。

 自身がスーパースターゆえに、軌道修正もプレーヤーの領域で行なうべきという考えが先行しているようにも見えた。ロッカールームやミーティングの場で感情的になり、リスペクトを欠く発言も目立つようになった。自身の輝かしいキャリアとサッカー観を押し付けてしまった感は否めず、結果責任以上に求心力の低下は避けられなかった。

 異文化に適応するには物理的な時間も足りなかった。ACLを勝ち上がったことで過密日程に拍車がかかり、チームを立て直すための余裕を失ってしまったのは不運としか言いようがない。
 
 しかし自分たちの型と自信を失っていった選手たちには難しく、16年ぶりのリーグ戦4連敗など黒星が先行。12位と低迷し、任を解かれることとなった。

『名選手、名監督にあらず』は結果論に過ぎないとはいえ、そのリスクをはらんだチョイスだったのも間違いない。キューウェル監督自身の手腕を問うと同時に、キャスティングの過程も精査すべきだ。常勝軍団への道のりは想像以上に険しいのだから。

取材・文●藤井雅彦(ジャーナリスト)

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