ユース時代から知る槙野も「陽介のあんなシュート、見たことない。しかも右足」と絶賛
柏木は迷いがなかったと言う。
「『シュートを打とう』という気持ちでいたので、迷いはなかった。去年までだったらシュートを打っていなかったような場面だったけれども。
右足はけっこう自信があった。だから『こぼれ球が来たらシュートを打とう』と決めていたので、どちらの足でも構わなかった。それに向かい風が吹いていたので、思い切り蹴ったら落ちると思った」
風を読んでいたという。さらにもうひとつ。大宮のGK加藤の“癖”にも勘付いていた。
「ノブ(加藤)が、前に出てきているのが分かった」
浦和で14年まで5年間ともに戦った加藤が、「守」から「攻」にスムーズにつなぐため、できるだけ前に出たポジションでプレーしようとする。その“加藤らしさ”を逆に利用したのだ。
一方で、あくまでも全員で掴んだゴールであるとも強調していた。
「過程がすべて良かった」
大宮のプレッシングやカウンターに苦しみながらも耐え続け、訪れたFKのチャンス。ここしかないと畳み掛けて、李の素早いリスタート、柏木のプレス、武藤のポストプレーがハマり、鮮やかなショットが突き刺さった。
「いつもは俺がみんなに助けられてきた。だから、今日は俺が少しは助けることができたかな」
一方で、次のような課題を挙げていた。
「あとはアシスト。『ここしかない』というパスを1試合に1本は出していきたい」
今季これまでのアシスト数はリーグ6位タイの3(トップは神戸・ペドロ・ジュニオールの6)。柏木はゴールを奪う意欲を示す一方で、司令塔として周囲を生かす役割にも、やはりこだわりを持つ。
また、ユース時代から柏木とプレーしてきた槙野も、柏木のシュートに驚愕していた。
「陽介のあんなシュート、見たことない。しかも右足。今季一番苦しめられた試合だったけれども、みんな慌てずプレーできていたことが、あの陽介のゴールにつながったと思う」
苦しい試合をモノにする。柏木が、そして浦和が試合巧者ぶりを身に付けてきたことを証明する、咄嗟の判断から飛び出した鮮烈なドライブ弾だった。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
「『シュートを打とう』という気持ちでいたので、迷いはなかった。去年までだったらシュートを打っていなかったような場面だったけれども。
右足はけっこう自信があった。だから『こぼれ球が来たらシュートを打とう』と決めていたので、どちらの足でも構わなかった。それに向かい風が吹いていたので、思い切り蹴ったら落ちると思った」
風を読んでいたという。さらにもうひとつ。大宮のGK加藤の“癖”にも勘付いていた。
「ノブ(加藤)が、前に出てきているのが分かった」
浦和で14年まで5年間ともに戦った加藤が、「守」から「攻」にスムーズにつなぐため、できるだけ前に出たポジションでプレーしようとする。その“加藤らしさ”を逆に利用したのだ。
一方で、あくまでも全員で掴んだゴールであるとも強調していた。
「過程がすべて良かった」
大宮のプレッシングやカウンターに苦しみながらも耐え続け、訪れたFKのチャンス。ここしかないと畳み掛けて、李の素早いリスタート、柏木のプレス、武藤のポストプレーがハマり、鮮やかなショットが突き刺さった。
「いつもは俺がみんなに助けられてきた。だから、今日は俺が少しは助けることができたかな」
一方で、次のような課題を挙げていた。
「あとはアシスト。『ここしかない』というパスを1試合に1本は出していきたい」
今季これまでのアシスト数はリーグ6位タイの3(トップは神戸・ペドロ・ジュニオールの6)。柏木はゴールを奪う意欲を示す一方で、司令塔として周囲を生かす役割にも、やはりこだわりを持つ。
また、ユース時代から柏木とプレーしてきた槙野も、柏木のシュートに驚愕していた。
「陽介のあんなシュート、見たことない。しかも右足。今季一番苦しめられた試合だったけれども、みんな慌てずプレーできていたことが、あの陽介のゴールにつながったと思う」
苦しい試合をモノにする。柏木が、そして浦和が試合巧者ぶりを身に付けてきたことを証明する、咄嗟の判断から飛び出した鮮烈なドライブ弾だった。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)