大舞台で意外な大仕事をやってのけるF・トーレス。CL決勝でも期待せずにはいられない

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2016年05月06日

キャリアに足りないのはアトレティコでのタイトル。

バイエルンとのCL準決勝・第2レグでは、終盤に自ら得たPKを外す。結果的に勝敗には影響しなかったものの、主役に躍り出るチャンスを逃すところもまた、F・トーレスらしかった。(C)Getty Images

画像を見る

 シーズンを通して考えれば、F・トーレスはたいした数字を残しているわけではない。調子が上がってきたのは春になってからだ。ただ、一番おいしいところは持っていこうとしている。そう言えなくもない。

 シーズン最後に残された大舞台で、F・トーレスは何かやってくれる。アトレティコのファンは、誰もがそんな想いを抱いている。

 意外にもF・トーレスはまだ、アトレティコでひとつもビッグタイトルを獲得していない。彼がリバプールに移籍する前のアトレティコは、現在とは比較にならないほど勝負強さに欠けた。彼はこう語る。

「僕のキャリアに足りないのは、アトレティコでのタイトルだけ。このクラブで優勝する。これ以上の喜びはないだろう。子供の頃から見てきた夢だから」

 CL決勝で、こぼれ球を押し込むだけという状況、あるいは、ありえないようなPKが訪れるのではないか――。F・トーレスの強運は、32歳になった今も尽きることはない。

【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
【関連記事】
【現地発】悲願の欧州制覇に王手をかけた闘将シメオネと「チョリズモ」の体現者たち
【EL準決勝】ともに快勝! 決勝はセビージャとリバプールの初対決に
【セリエA現地コラム】至上命題のCL出場を逃す――。インテルはなぜ失速したのか?
CL決勝進出も悔しさを滲ませたC・ロナウド。試合後にはチームから距離を置き…
現地ベテラン記者が香川真司を密着レポート「絶好調の香川以上に、いま注目を集めているのは…」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ