ゴール後は横断幕のもとへと駆け寄る。
左サイドで味方がボールを持つと、豊田は相手CBとSBの間にポジションを取る。そしてクロスに対してニアへ――豊田の頭を経由したボールはサイドネットへと吸い込まれた。
「絶対に決められるパターン」と自画自賛する、これぞ豊田というゴール。再びネットを揺らした男はサポーターのもとへ駆け寄り、「被災地へ勇気を」と書かれた横断幕を両手でギュッと握ってみせた。
そのパフォーマンスについて本人は「(熊本への)想いは強かった。これまでは全然良い姿を見せられなかったので」と照れ臭そうに語る。
そしてこう続ける。
「特別になにかをプレーに加えることはできないですし、被災者すべての方の想いを汲むことはできないかもしれないです。でも、同じ九州に住んでいる人間として心を痛めていますし、サッカーで僕たちはなにかを感じてもらうゲームをしなくてはいけない。今日の試合ではやっと自分たちらしい姿を見せられました。自己満足にならないように継続していきたいです」
5節以来のゴールで、チームを公式戦10試合ぶりの勝利に導いた。エースの号砲とともにチームの勢いも増しそうな予感がある。
チームメイトの藤田も「エースが取ってくれたことがなにより大きい」と価値を強調する。
試合は後味の悪さを残す内容となってしまったが、さまざまな想いを抱えた豊田のゴールは、決して少なくない人の心を動かしたはずだ。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
「絶対に決められるパターン」と自画自賛する、これぞ豊田というゴール。再びネットを揺らした男はサポーターのもとへ駆け寄り、「被災地へ勇気を」と書かれた横断幕を両手でギュッと握ってみせた。
そのパフォーマンスについて本人は「(熊本への)想いは強かった。これまでは全然良い姿を見せられなかったので」と照れ臭そうに語る。
そしてこう続ける。
「特別になにかをプレーに加えることはできないですし、被災者すべての方の想いを汲むことはできないかもしれないです。でも、同じ九州に住んでいる人間として心を痛めていますし、サッカーで僕たちはなにかを感じてもらうゲームをしなくてはいけない。今日の試合ではやっと自分たちらしい姿を見せられました。自己満足にならないように継続していきたいです」
5節以来のゴールで、チームを公式戦10試合ぶりの勝利に導いた。エースの号砲とともにチームの勢いも増しそうな予感がある。
チームメイトの藤田も「エースが取ってくれたことがなにより大きい」と価値を強調する。
試合は後味の悪さを残す内容となってしまったが、さまざまな想いを抱えた豊田のゴールは、決して少なくない人の心を動かしたはずだ。
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)