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【大宮】猛攻を耐え切った先に――冷静さを失わない加藤順大の好セーブが勝点1を引き寄せた

カテゴリ:Jリーグ

古田土恵介(サッカーダイジェスト)

2016年05月01日

攻めずして勝点3はない。ただ、そうして手にした勝点1の価値は大きい。

身体を張り、最後まで集中力を切らさなかった守備陣。圧倒されたが、そのなかで手にした勝点1をポジティブに考えたい。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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 守護神の活躍だけでは、クリーンシートを達成するのは難しかっただろう。ボランチ2枚は常にフルスロットルでスペースをカバーしたし、両CBも加藤が「うちはGKが3人いるから」と語るほどに身体を投げ出した。「声を掛け合えていた」(菊地)のも、誰もが集中力を切らさず、サボらず、タフに戦ったのも、失点を喫しなかった要因になる。

 ただし、引き分けた事実以上にダメージのある内容ではあった。「上位陣を相手に内容も結果も求めるのなら、個のレベルアップが必要」(家長)であり、「手応えはない。全然ボールをつなげられずに、かなり一方的なゲームになってしまった。意図して相手を崩せなかった」(金澤)点は、今後の戦い方を再考すべきことを示唆しているのかもしれない。

 それでも、そんな試合で勝点1を言葉のとおり“もぎ取れた”のは、まずは残留が目標となるクラブにとっては大きい。各選手が悔しさを表情にも言葉にも滲ませながらも、「(結果を)ポジティブに捉えたい」と言ったのは、2014年に、あとひとつの引き分けがあれば降格しなかった事実を重く受け止めているからだろう。

 もちろん、勝ちを放棄している選手など存在しない。監督もそうだ。「攻撃に出ないと、勝点3を積み上げられない」(菊地)のだから、まったく攻めの形を見せられなかったのは反省すべき。サッカーは他の球技同様に得点を奪えなければ勝てないのだ。だが、その言葉を裏返せば、「失点しなければ、最低でも勝点1を獲得できる」ことを意味している。

 高さと激しさ、我慢強さを備えるCBが揃っているのは心強い。そして、どんな局面でも冷静さを失わずに、的確なプレー選択ができ、諦めない気持ちを体現している加藤という存在が最後方に陣取っている。フィールドプレーヤーにとっても、監督にとっても、試合を見守るファン、サポーターにとっても安心感があるはず。

 鉄壁を誇る守護神の存在は、周囲の選手たちにも「加藤がいるから勇気を持って、リスクを負って攻め上がろう」という精神的余裕も生むだろう。それが勝利を呼び込むと信じて――。最終ラインやボランチが大胆な駆け上がりでゴールを演出したら、大宮の場合、それはGKの存在感も大きく関係しているのかもしれない。

取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
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