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プレミア最下位の市立船橋が復活! 3年連続のインターハイ出場決定。千葉頂上決戦で絶好調の流経大柏になぜ勝てたのか

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2024年06月17日

本来の姿を取り戻したが、これで終わりではない

予選を通じて逞しくなった。キャプテンの岡部は、大敗した昌平戦の後に「選手ミーティングでぶつかり合った」と振り返る。写真:松尾祐希

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 問題点が顕著に表われたのが、インターハイ予選前最後の一戦となった第8節の昌平戦だ。前半は互角以上の戦いを見せたが、後半早々に失点すると、一気に崩れて0-6の大敗を喫した。

「1失点してから一気にいかれてしまう。そこはメンタル的なところだと思う。それでもやらないといけないので、そこは課題だと思うけど...」(波多監督)

 しかし、この敗戦がチームをひとつにする。当時の状況を振り返り、岡部は言う。

「僕たちの代は良くない状況になると、文句を言い合うとかではなく、静かになってしまう。そのなかで本当に苦しかったし、市立船橋として情けないとみんな思っていた。でも、現実は甘くないし、同情してくれる人もいない。練習からしっかりやっていく以外に結果を変える方法はないし、スタッフも時間をかけて、いろいろ考えてくれた。

 そうした状況下で一番大きかったのが、昌平戦でした。プレミアリーグは決定力不足で負ける試合が多かったけど、昌平戦は完全に後ろの選手の責任。僕を中心に話し合うなかで、前の選手は後ろの選手にどうしてほしいのか、後ろは前にどうしてほしいのか。選手ミーティングでぶつかり合って、インターハイに向けて、昨年のキャプテンである(太田)隼剛さんからもアドバイスをもらいながら、少しずつ変わっていくことができました」
 
 簡単に変われるわけではない。だが、インターハイ予選を通じて、一回りも二回りも逞しくなった。準々決勝では中央学院に0-1とリードを許し、残り時間は3分。動じずに戦い続けたチームはそこから2点を奪って逆転勝利を収めた。続く東京学館との準決勝では、先制しながらも追いつかれて延長戦に突入も、2-1で突き放した。

 こうした接戦を制していくなかで、チームは確かな手応えを得ていく。

「中央学院戦の勝利は大きかった。前半は相手のゲームで後半に反撃に出たけど、見ている方も含めて完全に中央学院のゲーム。でも、チームは前を向いていた。キャプテンの岡部は下を向いていなかったし、気持ちが全然ぶれていなかった。苦しい状況でもピッチの中で岡部がどうにかしてくれる。そういう信頼が生まれるほどだったので」(中村コーチ)

 以前であれば、リードを許したり、同点に追いつかれると、バタバタと崩れていただろう。だが、どんな状況でも動じず、自分たちを信じて戦って勝利を引き寄せた。最後は最大のライバルである流経大柏を撃破。絶好調の相手を自分たちのペースに引き込み、追いつかれてもタフに戦って勝利をもぎ取った。

 本来の姿を取り戻したものの、これで終わりではない。6月23日にはプレミアの舞台で流経大柏とのリターンマッチが控えている。インターハイで飛躍を遂げるためにも、是が非でも勝ちたい一戦だ。今日だけは優勝の余韻に浸るが、翌日からは次なる戦いに向けて新たなスタートを切る。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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