両エースの現状が、そのまま両チームの置かれた立場を示す。

チーム最多タイのシュート3本を放った宇佐美だが、「最後のところでアイデアを絞らないと」と振り返る。公式戦ホーム5連敗というチームの不振もあり、試合後は反省ばかりが口をついた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)
ミックスゾーンに現われたG大阪のエースは、口元に治療後のテープを張り、痛々しい姿で反省の言葉を並べていく。宇佐美が問題視したのは「最後のところ」だ。「そこまでの流れは悪くなかった」と語りながら、課題について言及した。
「最後のところで、アイデアを振り絞らないといけない。動きやパスコースなのか、もう少しアイデアや大胆さを持ってプレーしないと」
敗戦の事実が重くのしかかるなか、責任を受け止める宇佐美にとって、大久保との小競り合いは些事。むしろ、公式戦ホーム5連敗というチームの不振を重く見ていた。「勝てない空気があるのかもしれないけど、それは勝ってこそ払拭できる。なるべく早く勝ちたい。やっぱり前がもっと点を取らないと勝てない、というのは痛感している」と肩を落とした。
乱闘騒ぎと試合後のコメントに象徴される両エースの現状。それはそのまま、両チームの置かれた立場をも示すものだった。
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)