いまやスアレスはゴールを狙うだけの存在ではない。

全体的にらしさが見られず、アトレティコとのCL準々決勝・第2レグを0-2で落としたバルサは2戦合計2-3で敗退。試合後には、せめてスアレスだけでも調子が良ければ、といった声も。(C)Getty Images
ストライカーである以上、得点王の個人タイトルが欲しくないわけがない。しかしスポルティング・ヒホン戦では、調子を落として批判されているネイマールにPKを譲るなど、大人の対応を見せた。自身の大量得点よりも、優先すべきことがあったのだ。
「ネイマールに自信をつけさせたかった。みんながチームのためにプレーできているって気持ちを持つことができれば、全員にとってプラスになるからね」
いまやスアレスは、単にゴールを狙うだけの存在ではない。見逃されがちだが、彼はリーガのアシストランクでも、リオネル・メッシ(12)、コケ、トニ・クロース、C・ロナウド(いずれも11)らを抑えて1位につけている(14)。
また、スアレスはメッシ、ネイマールと組むトリデンテの中で最も運動量が多い。走行距離、スプリント回数でふたりを上回り、攻撃から守備への切り替え時には、最初に相手CBにプレスをかけるというタスクを担う。L・エンリケ率いるバルサのメカニズムにおいて、メッシ、セルヒオ・ブスケツと並び、もはや欠かせない存在となっている。
だからこそ、ファンは思うのだ。
いまのスアレスがいれば、と。
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。
「ネイマールに自信をつけさせたかった。みんながチームのためにプレーできているって気持ちを持つことができれば、全員にとってプラスになるからね」
いまやスアレスは、単にゴールを狙うだけの存在ではない。見逃されがちだが、彼はリーガのアシストランクでも、リオネル・メッシ(12)、コケ、トニ・クロース、C・ロナウド(いずれも11)らを抑えて1位につけている(14)。
また、スアレスはメッシ、ネイマールと組むトリデンテの中で最も運動量が多い。走行距離、スプリント回数でふたりを上回り、攻撃から守備への切り替え時には、最初に相手CBにプレスをかけるというタスクを担う。L・エンリケ率いるバルサのメカニズムにおいて、メッシ、セルヒオ・ブスケツと並び、もはや欠かせない存在となっている。
だからこそ、ファンは思うのだ。
いまのスアレスがいれば、と。
【著者プロフィール】
豊福晋/1979年、福岡県生まれ。2001年のミラノ留学を経て、フリーで取材・執筆活動を開始。イタリア、スコットランドと拠点を移し、09年夏からはスペインのバルセロナに在住。リーガ・エスパニョーラを中心に、4か国語を操る語学力を活かして欧州フットボールシーンを幅広く、ディープに掘り下げている。独自の視点から紡ぐ、軽妙でいて深みのある筆致に定評がある。