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大怪我を乗り越えて完全復活。昌平の17歳SB上原悠都は、まだ見ぬ自分に出会うために走り続ける

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2024年05月30日

ただ戻るだけではなく、より良い状態で復帰するために

昨年度のキャプテン石川(写真)がリハビリに取り組む姿を見て、上原もモチベーションを取り戻した。写真:松尾祐希

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 だが、昨年度の主将・DF石川穂高(現・関東学院大)に救われた。昨年7月下旬に左膝前十字靭帯断裂で全治8か月の大怪我をした先輩が懸命にリハビリに励む姿を見て、モチベーションを取り戻したのだ。

「同じ境遇の人がいたことは大きい」。石川と励まし合いながら前に進み、ピッチに戻るために誰よりも努力を重ねた。よりレベルアップして戻るために、今まで一度も取り組んだことがなかった筋力トレーニングを取り入れ、トレーナーの人に相談しながら上半身を強化。ただ戻るだけではなく、より良い状態で復帰するために最善を尽くした。

 同世代が代表で活躍する姿も、自分を奮い立たせる原動力になった。

「自分が代表に入った時に、周りの選手とレベルが違うというのを思っていたし、怪我をしてサッカーができない期間にみんなは成長して、自分との差はどんどん開いてしまって...。大舞台に立っているけど、自分が怪我をしていなくてもこの舞台に立てていなかったかを考えてしまった」と、冷静に自分の立ち位置を振り返り、もう一度、日の丸をつけて戦うために何が必要かを考えた。
 
 リハビリ中にサッカーを見る機会が増えたのもそのためで、昌平の試合はもちろん、海外やJリーグの試合を入念にチェック。自分に置き換えてプレー分析をしつつ、カイル・ウォーカー(マンチェスター・シティ)の予測力や誘いこむ守備、トレント・アレクサンダー=アーノルド(リバプール)のクロスなどを見て、サッカー脳を鍛えてきた。

 そうした取り組みを経て復帰し、迎えた今季も不動の左SBとして躍動しているが、自分と向き合ったリハビリの日々がなければ、今の自分はない。

 最短距離を走ったからといって、目的地に先に到達できるわけではない。急がば回れ――。最終的にプロの舞台で戦い、日の丸を背負うような選手になったのであれば、決して遠回りも悪くない。行き詰まっても前に進んでいけば、道は切り拓ける。そう信じて、昌平の有望株はまだ見ぬ自分に出会うために走り続ける。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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