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【ブンデス現地コラム】急浮上したホッフェンハイム。28歳の青年監督、ナーゲルスマンは何をもたらしたか?

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2016年04月15日

ベンチ暮らしが続いていた新戦力を蘇らせる。

1月に獲得したクラマリッチ(左)がここにきてフィット。4得点・3アシストと貴重な仕事を連発している。(C)Getty Images

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 ナーゲルスマンがどんな戦術を掲げようとも、実際にプレーする選手たちのクオリティーが伴わなければ、所詮は絵に描いた餅に過ぎない。重要なのは過去の実績や名声ではなく、ピッチ上で何ができるか。ナーゲルスマンは練習の段階から選手をじっくりと観察し、使えると判断すれば誰にでも平等にチャンスを与えてきた。

 その抜擢に見事応えたのが、1月にレスターからレンタルで加入したFWアンドレイ・クラマリッチだ。元々テクニックとボールキープに定評はあったが、独善的なプレーと守備意識の低さが仇となり、ベンチを温める試合が少なくなかった。

 しかし、ナーゲルスマン就任後はコンスタントに先発で起用されるようになり、以前とは見違えるようなプレーを連発。巧みなポストワークで基準点の役割を果たすだけでなく、鋭い動き出しで貪欲にゴールに迫り、ここまで4得点・3アシストをマークしている。課題だった守備も、積極的にこなすようになった。

 若きエース、ケビン・フォラントの復調も見逃せない。チームが低迷しているときはすべてをひとりでこなそうとする意識が空回りし、完全に“迷子”になっていた。しかし、選手個々の役割が整理されたここ最近は持ち前のシャープな仕掛けが蘇り、崩しのキーマンとなっている。

 最終ラインで抜群のプレゼンスを発揮しているのが、20歳のCBニコラス・ジューレだ。マンチェスター・Uやシャルケが獲得に興味を示すこの逸材は1対1で抜群の強さを発揮し、冷静な判断力と安定した足下の技術も持ち合わせる。いまや、このチームに不可欠な存在だ。

 降格圏から脱出したとはいえ、まだ安心できる状況ではない。30節のヘルタ・ベルリン戦(4月16日)、31節のボルシアMG戦(4月24日)、34節のシャルケ戦(5月14日)といった上位陣との対決を残しているのだ。だが、今の調子を最後まで維持できれば、残留は現実的な目標と言えるだろう。

文:中野吉之伴

【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
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