たった1ゴールで背番号をアピールした本田。ブラジルでは、「生意気」とブーイングを浴びかねない。
シーズン前は、ダークホースという位置づけですらなかったレスターが、ここまで躍進するとは誰も予想しなかったと思う。ただ気掛かりなのは今、プレミアリーグで持ち上がっているドーピング疑惑だ。現地メディアが、ある医師の証言を基に報じたものだが、レスターやアーセナルの選手をはじめ、テニス選手など150人以上が長年にわたってドーピングしていたというのだ。
レスターがこのまま逃げ切ってタイトルを獲得しても、同クラブの選手が関与していたとなれば、“タイトル剥奪”という事態も起こり得る。真偽のほどは分からないけど、調査の結果次第では、どう転ぶか分からないだけに不安だね。
それにしても、他の海外組はどこかぱっとしない。昨年は好パフォーマンスを披露していた香川だけど、今年に入ってから出場機会が激減した。復調傾向とはいえ、ドイツでは「シンジの時代は終わった」という声もあるという。長友にしても、現状維持と言ったところだ。
本田にいたっては、2月のリーグ戦で約1年4か月ぶりのゴールを決めたにすぎない。その時、両手の親指を背中に向けて「俺が10番だ」と言わんばかりにアピールしていた。ブラジルでは、たった1ゴールでそんなパフォーマンスをすれば、「生意気」とブーイングを浴びかねない。
名門クラブの10番が、そんなにも長い間ゴールから見放されていたのは、本来なら不甲斐ない話。現地では「ミラン史上最低の10番」と揶揄された時期もあったようだけど、結果を見ればそれも仕方ない。
そういう状況のなか、ゴール後に見せたパフォーマンスは、まるで日本のメディアに向けたもののように僕には映った。そして日本のメディアも、ちょっと良いプレーをしただけで、まるでワールドクラスと言わんばかりに報じるから、ある種の幻想が生まれてしまう。
営利主義で話題性を優先する事情は分かるけど、相対的な評価を基に報じないと、イメージばかりが先行する事態に成りかねないよ。
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