本田にとって「ミランでの5人目の監督」。クリスティアン・ブロッキってどんな人?

カテゴリ:メガクラブ

片野道郎

2016年04月12日

本田が加入した2014年1月以降は短命政権が続いている。

一時は本田(右)を干していたミハイロビッチ(左)だが、今年に入ってからはレギュラーの座を託していた。ブロッキの新監督就任で背番号10の立場はどう変化するのか? (C)Getty Images

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 ベルルスコーニはかねてからブロッキのこの姿勢と実績を評価しており、昨夏にインザーギの後任を決める際にもブロッキの抜擢を主張していたほど。この数か月は勝負どころの重要な試合で結果を出せず、順位的にも停滞が続いているミハイロビッチへの苛立ちもあって、一度ならず解任への動きがあった。そのたびに周囲の反対もあって思いとどまってきたが、後任として名前が挙がるのは必ずブロッキだったのだ。
 
 今回も片腕のガッリアーニ副会長、そしてご意見番的な立場で助言を請われているアリーゴ・サッキ(元ミラン監督&元イタリア代表監督)は、途中解任に反対していた。
 
 さらに2人はブロッキの抜擢についても、クラレンス・セードルフ、インザーギという過去2人の監督と同様、経験不足のまま重い責任を与えてキャリアを潰してしまう心配があると、一貫して否定的な立場をとっていた。それをベルルスコーニが押し切った格好だ。
 
 ベルルスコーニがミランのオーナーになって今年がちょうど30周年。最初の25年はチャンピオンズ・リーグ優勝5回、スクデット8回など栄光の日々が続き、監督交代も数えるほどしかなかった。
 
 80年代末のサッキ(1988~91)にはじまり、ファビオ・カペッロ(91~96)、アルベルト・ザッケローニ(98~2001)、カルロ・アンチェロッティ(01~09)、そしてマッシミリアーノ・アッレグリ(10~13)と、3年以上の長期政権がスタンダードだったのだ。
 
 ところがここ5年は、10-11シーズンのスクデットを最後に無冠続き。監督もちょうど本田圭佑が加入した直後だった2014年1月のアッレグリ解任以来、セードルフ(5か月)、インザーギ(11か月)、そしてミハイロビッチ(10か月)と短期政権が続いている。まだミラン入団3年目にもかかわらず、本田にとってブロッキは実に5人目の監督だ。
 
 セードルフやインザーギの時もそうだったが、ベルルスコーニはサッキとカペッロで大きな成功を収めて以来、実績のない若手監督を自分が抜擢して栄光の時代を築くというストーリーに異様なまでの執着を示し、ブロッキの抜擢についても「今度こそ」という意気込みが伺える。
 
 ちなみに、80歳を目前に控えたベルルスコーニは最近、ミランだけでなく本業の政治やビジネスでも思考や発想に柔軟性を欠き、過去の成功体験に拘泥して時代の変化を捉えきれないがゆえの失態を続けている。
 
 最近も本業の柱のひとつながら赤字を垂れ流している有料地上波デジタルチャンネル『メディアセット・プレミアム』を、フランスのメディア企業『ヴィヴェンディ』に売却するという話が持ち上がったばかりだ。
 
 この監督交代によってミランの迷走が終わるという保証は、まったくない。
 
文:片野道郎
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