8試合を残しているのに、前半戦を大きく上回る数値の数々。

前半戦の本田といえば、試合終了間際にピッチに立つか、ベンチでホイッスルを聞くかのどちらか……。この頃、現在のようなミランにとって絶対不可欠な存在になる姿は、全く想像できなかった。 (C) Getty Images
他の詳細なデータも、今シーズンの本田の成長ぶりを裏付けている。
ボールを取り戻した回数(今シーズン87、昨シーズン86)、1対1での競り勝ち(今シーズン23、昨シーズン20)、インターセプト(今シーズン27、昨シーズン26)、アシスト(今シーズン3、昨シーズン2)、シュート(今シーズン22、昨シーズン23)etc.……。
何度も言うが、3か月のブランクがありながらも、どれもあまり変わりがないのだ。
それどころか、逆に大きく向上した項目もある。例えば、ボールを失った回数(昨シーズンの316回から274回に減少)、チャンスメイク(24回から32回に増加)、クロス(39回から51回に増加)、有効なパス(510回から547回に増加)などである。
もちろん、ダウンしたデータもある。ご存じの通り、ゴール数だ。昨シーズンの6に対し、今シーズンは1。しかし前述した通り、これは彼の本来の仕事ではないし、それよりも自分のポジションでの能率が上がったことのほうがずっと重要だろう。
もうひとつ興味深いのが、今シーズンにおける前半と後半のデータ比較である。
まだ、後半戦は8試合を残しているというのに、いくつかのデータにおいては、ほとんどの数値が前半戦の2倍、なかには3倍に達しているものさえある。
前半戦のプレー時間が558分だったのに対し、後半ではすでに971分。他にも、ボールを取り返した回数は27から60、クロスの数は15から36、ドリブルで敵を抜き去った回数は7から21、有効なパスは230から317、そしてシュート数は8から14と、いずれも上昇している。
これらのデータが意味するのは、本田はミランに欠かせない存在であり、これまで以上にチームの中心にあるということだ。それはもちろん、数字からだけでなく、監督やチームメイトの発言からも感じられる――それらの声は、どんな数字を並べるよりもずっと価値がある。
だからこそ、今回のコラムを以下の言葉で結びたい。ミランとシニシャ・ミハイロビッチ監督は、残りの9試合(リーグ8試合とコッパ・イタリア決勝)で、平均以上のレベルのプレーを本田に期待している。
攻守に全力を尽くしてきた本田が今、誰よりも疲れているのも明白だ。それでも、それを押して彼には頑張ってもらいたい。それこそが今シーズン前半戦、難しい時期に数々の批判を浴びせられたことに対する、最高のリベンジとなるはずだから――。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
ボールを取り戻した回数(今シーズン87、昨シーズン86)、1対1での競り勝ち(今シーズン23、昨シーズン20)、インターセプト(今シーズン27、昨シーズン26)、アシスト(今シーズン3、昨シーズン2)、シュート(今シーズン22、昨シーズン23)etc.……。
何度も言うが、3か月のブランクがありながらも、どれもあまり変わりがないのだ。
それどころか、逆に大きく向上した項目もある。例えば、ボールを失った回数(昨シーズンの316回から274回に減少)、チャンスメイク(24回から32回に増加)、クロス(39回から51回に増加)、有効なパス(510回から547回に増加)などである。
もちろん、ダウンしたデータもある。ご存じの通り、ゴール数だ。昨シーズンの6に対し、今シーズンは1。しかし前述した通り、これは彼の本来の仕事ではないし、それよりも自分のポジションでの能率が上がったことのほうがずっと重要だろう。
もうひとつ興味深いのが、今シーズンにおける前半と後半のデータ比較である。
まだ、後半戦は8試合を残しているというのに、いくつかのデータにおいては、ほとんどの数値が前半戦の2倍、なかには3倍に達しているものさえある。
前半戦のプレー時間が558分だったのに対し、後半ではすでに971分。他にも、ボールを取り返した回数は27から60、クロスの数は15から36、ドリブルで敵を抜き去った回数は7から21、有効なパスは230から317、そしてシュート数は8から14と、いずれも上昇している。
これらのデータが意味するのは、本田はミランに欠かせない存在であり、これまで以上にチームの中心にあるということだ。それはもちろん、数字からだけでなく、監督やチームメイトの発言からも感じられる――それらの声は、どんな数字を並べるよりもずっと価値がある。
だからこそ、今回のコラムを以下の言葉で結びたい。ミランとシニシャ・ミハイロビッチ監督は、残りの9試合(リーグ8試合とコッパ・イタリア決勝)で、平均以上のレベルのプレーを本田に期待している。
攻守に全力を尽くしてきた本田が今、誰よりも疲れているのも明白だ。それでも、それを押して彼には頑張ってもらいたい。それこそが今シーズン前半戦、難しい時期に数々の批判を浴びせられたことに対する、最高のリベンジとなるはずだから――。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。