【新潟】3試合で9失点…。吉田アルビが直面する生みの苦しみ

カテゴリ:Jリーグ

大中祐二

2016年03月16日

プレスのスイッチを入れる前線の運動量がチームの生命線に。

リーグトップの4ゴールと気を吐くラファエル・シルバ(10番)。このブラジル人エースには、プレスのスイッチを入れる役割も求められている。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 吉田監督は日々のトレーニングで、「ボールを奪い返すところまでが俺たちの攻撃だから」と攻から守への切り替えを強調する。ハイプレスでボールを奪ったらショートカウンターを仕掛け、ボールを失ったら素早く切り替えて陣形が揃い次第、またボールを奪いに行く。そのスタイルは、クラブ史上2番目の好成績である7位となった2013年の新潟を思い出させる。

 現時点で、チームの懸念されるポイントはふたつある。ひとつはセットプレーの守備。マンツーマンからゾーンに変わるなかで、プレシーズンマッチから失点を繰り返しているのは大きな不安材料だ。チームはセットプレーのメリットとデメリットとをさらに理解し、強みを前面に押し出せるようにならなければならない。
 
 もうひとつはプレスのスイッチの入れ方だ。今季、大きく変わったことのひとつに、フィジカルコンディションの上げ方がある。昨季までのキャンプでは、歩くのもままならないほどフィジカルを追い込んで、そこから回復した状況で開幕を迎えていた。
 
 しかし、今季は素走りやサーキットトレーニングといったハードなフィジカルトレーニングは姿を消した。ボールトレーニングでしっかり負荷を掛けてはいるが、シーズンを戦いながらコンディションを上げるアプローチが取られている。その中でFWや中盤の選手が、どれだけプレスのスイッチを入れるためにダッシュを繰り返せるか。強度と連続性は、チームの生命線に関わることだ。
 
 1勝2敗のスタートとなった吉田アルビは、守りに入るのではなく、攻めの姿勢で状況を好転させようとチャレンジ中だ。もちろん、現実的には勝点を重ねながらの試行であることが大前提でもある。

 いずれにしても、わずか3試合でなにかを判断するのはあまりに早計過ぎる。改革は始まったばかりなのだ。
 
文:大中祐二(フリーライター)
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