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【U-23女子代表】なでしこジャパンに一縷の光を灯す猶本の躍動。最終予選裏のラ・マンガ国際大会で輝く

カテゴリ:日本代表

松原 渓

2016年03月08日

「女子サッカーを盛り上げていくのは自分たち」

持ち味の攻撃力に加え、粘り強い守備も身に付けつつある。成長著しい姿に、なでしこの未来を担う存在として期待したい。(C) Getty Images

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 「才色兼備のサッカー選手」はメディアが放っておかず、サッカー以外の話題で注目されることも多い。しかし、本人はいたって硬派だ。サッカーに対するプロフェッショナルな姿勢は高倉監督も高く評価する。
 
 常に上を目指すブレない芯の強さがあるからこそ、なでしこジャパンで受けた刺激は自分を変えるきっかけになったという。初めて招集されたのは、2014年5月のアジアカップだった。
 
「なでしこジャパンの練習に参加して感じたのは、ピッチの真ん中に立つ選手は常に周りに要求しなければいけないということ。それができない理由は、自分がサッカーを分かっていないからだと感じました。それ以来、海外サッカーや動画を見て戦術的なことを学んでいます」
 
 元々、前線への飛び出しやミドルシュートを武器とする攻撃的なボランチだが、最近は守備で身体を張る場面も増えている。
 
「なでしこジャパンの選手はポジショニングやタイミングが上手なので常々見ていましたが、(リオ五輪予選直前の)沖縄合宿で、球際の守備も最低限できなければいけないと感じました」
 
 五輪予選はラ・マンガでの試合日と重なったため、しっかり映像を見られていないという。それでも第3戦の中国戦はホテルの部屋で、全員で応援した。予想もしなかった敗戦を彼女たちはどう感じたのだろうか。
 
「女子サッカーを盛り上げて来てくれた先輩方がいるなかで、オリンピックに行けないとなったら、世間的には応援されなくなるのではないかと……、その不安はもちろんあります。けれど、また盛り上げていくのは自分たちだと思っています。先輩たちが築き上げてきてくれたものに上積みするためにも、まずは自分がなでしこジャパンに入らないと話にならない。もっと成長したいです」
 
 大会中に、猶本は22歳の誕生日を迎えた。その貪欲な向上心が、彼女をどのように成長させていくのか楽しみだ。
 
 五輪予選敗退が決まった日本女子サッカー界は、大きな損失を被った。しかし、そんななかで今大会のU-23の活躍は、なでしこの未来に希望を抱かせてくれるものであった。
 
取材・文:松原 渓(スポーツライター)
 
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