チームにとっても、ジェイにとっても大きな意味を持つ、記念すべき「J1初ゴール」に。
ジェイは振り返る。
「一度は必ずチャンスが来るだろうと思っていた。結局、あの一度だけだったかもしれない。でも、その機会を逃さず決められた」
まだ、1ゴールではある。ただ、これから得点を積み重ねていきそうな“気配”がスタジアムには間違いなく漂っていた。それだけに期待は膨らむ。
「J1得点王? もちろんストライカーだから、『得点王になりたいなんて、特に思っていない』と言ったら嘘になると思う。でも、個人タイトルよりも、ジュビロの勝利が最優先さ。ジュビロがどんどん良いチームになり、そのひとりとして活躍できたら幸せなことだよ」
イングランド・プレミアリーグのブラックバーンやチャールトンでのプレー経験のあるジェイは、「浦和は素晴らしいチーム。まるでマンチェスター・ユナイテッドと試合をした時のような雰囲気で試合ができた。そんななかで点を決められて本当に嬉しいよ」と常に謙虚に振る舞う。ただ、今後について聞かれると、語気を少し強めた。
「状態はまだまだ。でも4月にはベストコンディションに持っていけると思う。やはりいくら練習試合でプレーするより、こうして公式戦に出て、勝点を積み上げることに貢献できてこそ、コンディションも上げていける」
ジェイにとって、コンディションのひとつのバロメーターになるのは間違いなくゴールである。この1点で、J1でできるという手応えは得られたはずだ。
イングランド代表として2010年、フランス代表との親善試合に出場している。磐田に加入した昨季はチーム最多20ゴールを奪って、J1昇格に大きく貢献した。彼が今季も引き続き前線の軸として機能すれば、J2からの昇格組とはいえ磐田の躍進は十分期待できる。
チームにとっても、ジェイ本人にとっても大きな意味を持つ、記念すべき「J1初ゴール」となった。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)